ローマ教皇、ウクライナの「恒久的な平和」訴え 「聖年」も開幕
(CNN) ローマ教皇フランシスコ(88)は25日、バチカンのサンピエトロ広場で恒例のクリスマスのメッセージを読み上げ、ウクライナでの戦争を終わらせるための「交渉」を呼びかけた。また、世界各地の紛争にも言及し、武器を置き、和解するよう訴えた。 メッセージを読み上げる数時間前には、ウクライナにロシア軍による大規模な空爆があった。教皇はこれまで一貫して交渉による平和の調停を求めてきた。だがロシアはここ数カ月、攻撃を激化させており、戦争がはじまってから3度目の冬を迎える中、ウクライナは不安定な状況に置かれている。 教皇は「戦争で引き裂かれたウクライナで武器の音が止むことを願う」などと述べ、交渉の席に着き、対話を始めるよう両国に促した。 また、中東の平和についても呼びかけ、パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況は極めて深刻だと指摘。「停戦となり、人質が解放され、飢えや戦争で疲弊した人々が支援を受けられることを願う」と思いやった。 教皇はこのところイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争について発言を強めており、枢機卿らへの演説ではガザで起きていることは「残酷」で、「戦争ではない」と述べた。イスラエル軍が20日に行ったガザへの空爆でパレスチナ人25人が死亡したことを念頭においた発言とみられる。 2025年は「聖年(ジュビリー)」にあたる。通常、閉ざされているサンピエトロ大聖堂の 「聖なる扉 」が開かれ、この扉をくぐり、良い行いをした者には罪の許しが与えられるとされている。教皇は24日に聖年の開幕の儀式に臨み、聖なる扉が開かれた。来年は3500万人がバチカンを訪れると予想されている。