鹿児島県薩摩川内市が設置したコンクリート護岸、基準より急勾配…検討不十分で「安全度確保されていない」
会計検査院が6日に公表した2023年度の決算検査報告で、鹿児島県薩摩川内市が同市樋脇町に設置したコンクリート護岸について、「安全度が確保されていない」と指摘された。 【写真】会計検査院
同市によると、工事は20年7月の豪雨で崩れた護岸の復旧事業として20、21年度に行われた。設計指針などに基づく検討を十分に行わず周辺と同じ勾配にした結果、基準よりも急勾配になっており、国からの補助金約440万円が不当とされた。今後、補強工事を実施するという。
また、県が22、23年度に同市小倉町で設置工事を行った農業用の水管橋については、落橋防止構造が設けられていなかった。地震時の安全が確保されていないと指摘され、国からの補助金約800万円が不当とされた。県は今後、追加の工事を行う予定としている。
このほか、障害児入所施設に児童を入所させた場合などに交付される国の補助金の算定に際し、県が誤って二重計上するなどし、19~20年度に約500万円が過大に国から交付されていたことも分かった。
県によると、担当職員の入力ミスなどが原因。検査院の指摘を受けて今年5月、国に全額返還したという。県障害福祉課は「複数人で確認を行うなどして再発防止に努める」としている。