サケの遡上が始まった箕輪鮭漁業生産組合の採捕場＝遊佐町

　遊佐町月光川水系の牛渡川（うしわたりがわ）でサケが遡上（そじょう）している。7月の大雨で被害を受けた箕輪鮭（みのわさけ）漁業生産組合（佐藤仁組合長）の採捕場では22日、古里の川に戻ってきたサケを捕り、採卵作業などが進められた。 　7月の大雨で、牛渡川は流木などで流域が狭まり、同組合のふ化場には土砂が流れ込むなどの被害に遭った。遡上に間に合わすため、ボランティアや県の支援を受け、9月下旬までに復旧させた。佐藤組合長によると、今季の遡上は例年より10日ほど遅い、今月10日ごろから確認された。遡上するサケの量は昨年同期より、少ないという。 　川に設置した金属製のわな「ウライ」から組合員がたも網ですくい上げると、サケは勢いよく飛び跳ねた。雌の腹からはふ化事業のための卵が取り出された。佐藤組合長は「サケが戻ってきてくれるか不安だったが、今年も帰ってきてくれて良かった」と語った。