ちょっとしたことが健康にプラスに/東京女子医科大学病院消化器内科・野中康一教授
大腸がんの早期発見の内視鏡治療<28> “肥満は大腸がんのリスク因子”であることは数多く研究報告されています。この肥満はBMI(Body Mass Index=体格指数)25以上の人で、BMIの計算方法は、体重(キロ)÷〔身長(メートル)×身長(メートル)〕です。肥満の人は、大腸がんのリスクを減らすために、まずは適度な運動で肥満改善に歩み出しましょう。 その第1歩が、「1日60分の活発なウオーキングと最低週1回1時間の激しい運動」です。60分の活発なウオーキングは20分を3回でも15分を4回でも構いません。毎日が仕事で忙しい人は、会社への往復時間をウオーキングに使いましょう。自宅から駅まで15分を往復にすると30分、会社と最寄り駅間も15分の往復にすると30分で、合計60分。この時は会社に革靴を置いておき、会社への往復はスポーツシューズにすると歩きやすいでしょう。 また、会社内では2、3階程度は階段を使いましょう。ちょっとしたことが運動につながるのです。会社の外で昼食をとる時は、食事の後10~15分程度、近所を散策して戻るのも良いでしょう。ちょっとしたことが健康にプラスに働きます。 そして、週1回1時間の激しい運動は、卓球、バドミントン、テニス、サッカー、ジョギング、柔道など、自分が楽しめることを行いましょう。ただし、のんびりではなく、汗ばむ程度には頑張るのが基本です。運動は人それぞれ、楽しく過ごして大腸がん予防に結び付けてください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)