小池知事「無電柱化の重要性教えてくれた」台風21号や北海道地震に触れ持論
東京都の小池百合子知事は7日の定例会見で、4日に近畿などを直撃した台風21号や、6日に北海道で震度7を観測した地震において電柱が倒壊するケースが相次いだことに触れ、「あらためて無電柱化の取り組みの重要性を教えてくれた」と自身が力を入れる電柱の地中化の意義を強調した。
台風21号の影響で、関西電力は電柱609本が倒壊しているのを確認した(9月6日午後9時時点)。まだ確認できていない地域があるため、本数はさらに増える可能性があるという。北海道の地震では、北海道電力がすべての配電設備を調査した結果、倒壊した電柱が270本見つかったという。 小池知事は、会見場のモニターに台風21号で倒れた電柱の写真を映し出し、「倒壊した電柱は道路をふさぎ、救助活動を妨げる要因になる」と指摘。台風21号によって、関西電力管内では近畿2府4県と福井、三重両県の一部で約219万戸が停電。北海道の地震では、道内すべての顧客の約295万戸が停電した。小池知事は「電柱が倒れると、送電能力がそこで途絶える。(電柱の)地中化は景観だけでなく、防災の観点から有効、と安倍総理も言っていたと聞いている」と述べた。 一方で、電線の地中化は「まだコストは掛かるし、技術革新まっただ中」だと現状の課題も示し、「今はスローな展開かもしれないが、ある一定の時期から早く進めるべきだと考えるし、コスト削減によって成長戦略にも繋げられればと思う。そのためには、都民や国民に(地中化の有効性を)よく理解してもらう必要がある」と持論を展開した。 (取材・文:具志堅浩二)