野菜のタネをまいて苗を作ろう!初心者には丸ポットがおすすめ
「夏野菜、植え遅れちゃった!」そんな方でも大丈夫! 『やさいの時間』6・7月号で紹介した、野菜研究家・木村正典さん直伝の「木村流スロースタート栽培」なら、じつは6~7月にタネをまいても、十分間に合います。 スロースタートは出発が遅い分、苗作りには時間をかけず、できるだけ小さいうちに植えつけて早く自立させます。秋が迫っているので、スタートしたら一気に加速するのが成功の秘けつ。苗作りについて、6・7月号から、一部抜粋してお届けします。
丸ポットでのタネまきは、こんな人におすすめ
●苗作り初心者 ●少量の苗を作りたい人 ●タネや葉の大きい野菜を育てたい人 基本的な手順はどのポットでも同じですが、苗作り初心者は、土の容量が多くて乾燥しにくい丸ポットで挑戦してみましょう。連結ポット(セルトレイ)は土の容量が少ない分、水切れに注意します。 丸ポットは3~4号(直径約6~8cm)が使いやすく、自然に分解される紙製ならポットごと土に植えられます。
ポットにタネをまこう
1.ポットに培養土を入れる ポットの八分目くらいまで培養土を入れ、底を軽くたたいて土のすき間をなくす。培養土は、無肥料のタネまき用土ではなく、元肥入りの野菜用培養土で発芽後の生育を後押しする。軽すぎないものを選ぶ。黒土でもよい。
2.土を湿らせる ジョウロでゆっくり水を注いで土全体に浸透させる。底から水が流れ出るまでたっぷり。
〈木村流プラス〉ふるった細かい土で布団をかける 2の準備をしたあとタネを置く前に培養土をふるって布団を敷く。ふるった細かい土をタネの上下に敷くと、タネと土が密着して、湿度が保たれて発芽しやすくなる。ふるった土は4にも使うのでとっておく。
3.タネを置く ポットの中央にタネを1粒置く。
4.覆土をする ふるった細かい土をタネが隠れる程度にかけて覆土をする。
5.霧吹きで水をやる 霧吹きでたっぷり水をかけ、タネと土を密着させて終了。芽が出るまで室内で管理する。
どの野菜も本葉が1~2枚になったら、苗を植えつけることができます。 芽が出るまでの管理、苗の植えつけ方については、6・7月号で詳しい手順を紹介しています。 紙製のポットごと植えつければ、ゴミも出さず環境にもやさしく、根を傷めることもありません。
教えてくれた人/木村正典(きむら・まさのり) 野菜研究家。博士(農学)。元東京農業大学農学部准教授。家庭菜園や市民農園、環境に配慮した自然とつながる野菜、ハーブ栽培などの研究と地域振興に長く携わる。 ●『やさいの時間』2024年6・7月号 スロースタートで大成功! 夏まき夏野菜「スロースタートで苗作り」より