長崎県対馬市の「原始林」ナタのようなもので割ったり、表面を削ったりした跡…昆虫採集で損傷か
照葉樹の自然林としては国内最大級とされる長崎県対馬市厳原町の「龍良山」(約560メートル)内の5か所で、樹木に人為的な損傷があることがわかった。
スダジイなどの巨木が茂る龍良山の原始林は、壱岐対馬国定公園特別保護地区や国の天然記念物に指定されており、伐採や木竹の損傷、昆虫・動植物の持ち帰りといった行為は自然公園法などで規制されている。
対馬観光物産協会によると、損傷は5月末、トレッキングガイドが登山道沿いの2か所で見つけた。いずれも自然に倒れた枯木をナタのようなもので割ったり、表面を削ったりした跡が確認された。昆虫採集のため、人為的に行われたとみられる。
このため、林野庁や環境省、県、市などの関係者ら10人が26日、新たな被害防止に向けて、現地で合同パトロールを実施。5月末以降の2か所に加え、今回新たに3か所を確認した。同協会の西護事務局長は「龍良山は観光や教育の面からも貴重な山。将来に残していくため関係機関で情報共有し、保存や活用、管理などを徹底していきたい」と話した。