大院大高が初の春王者! 阪神などが熱視線送る今坂幸暉、昨秋の悔しさから「プレッシャーをかけて打撃をするようになった」5・25から近畿大会/春季大阪大会
春季高校野球大阪府大会決勝(12日、大院大高4ー1興国、大阪シティ信用金庫スタジアム)28年間甲子園から遠ざかる大院大高が4回戦と準々決勝で履正社、大阪桐蔭の〝大阪2強〟を撃破し、一気に大阪の頂点に立った。プロ注目の今坂幸暉内野手(3年)は値千金の同点打を放つなど2安打1打点と活躍。自信を深め、25日から開催される近畿大会(兵庫・明石トーカロ)に向かう。3位決定戦は東海大大阪仰星が7-0で大商大高を下した。 【写真】阪神も熱視線!適時打を放つ大院大高・今坂幸暉 1人で投げ続けたエース前川が右飛に打ち取って試合を締めると、ナインの歓喜が弾けた。大阪の勢力分布図を塗り替える快進撃で春季大会初優勝。昨年3月に就任し、送りバントなどの指示を出さず選手の自主性に任せるノーサイン野球で挑んだ辻盛監督が安心したような笑みを浮かべた。 「『ああ、終わったな』と解放された感じ。大阪桐蔭と履正社に勝って、そこから『負けたらダメ』みたいなイメージがあり、プレッシャーになっていた」 今大会は立て続けに〝大物食い〟の劇的勝利を飾って躍進した。4回戦の履正社戦はサヨナラ勝ち。準々決勝では大阪桐蔭を九回に逆転して勝利。30年ぶりに駒を進めた春の決勝でも1点を追った四回に5本の集中打で一挙4点を奪って試合をひっくり返し、興国を破った。春夏秋を通じて、大阪大会の同一大会で大阪桐蔭と履正社の2校を破って制したのは、2009年夏のPL学園以来だ。 原動力となったのが主将の今坂だ。走攻守の三拍子そろった遊撃手として今秋のドラフト候補にも挙がる。決勝でも阪神など3球団のスカウトが視察した中、2安打1打点と活躍。1点を追う四回1死二塁では右前に同点打を放って勝負強さをアピールした。 昨年9月の秋季大会は3回戦で大阪偕星学園に6-7で敗れた。今坂は八回の逆転機で三振。その悔しさを「練習からイニングやスコア、アウトカウント、走者を想定して自分にプレッシャーをかけて打撃をするようになった」と成長につなげてきた。 今大会は7試合で26打数13安打、打率5割と文字どおりチームを牽引(けんいん)。辻盛監督も「チャンスの集中力がずば抜けていて、あいつに回したら絶対点が入るという雰囲気がチームの中にある」とたたえた。近畿大会でも大暴れして、自信を深める春にする。(上阪正人)