賛否両論の町田ゼルビアらしさはロングスローだけでない…「実に見事」浦和DFマリウスが称える強みと“帰宅難民になりがち”ホームの魅力
町田ゼルビアの「天空の城」に行ってみた
そして先週末には、ホームにアルビレックス新潟を迎えた。晴れた土曜日の町田GIONスタジアム周辺には、他のJリーグの会場とは一線を画すテーマパークのような雰囲気があった。その丘陵地一帯を「天空の城 野津田」と銘打ち、ロールプレイングゲームの舞台のように仕立てているのだ。 異国の古い民謡のようなBGMが流れ、「武器・防具屋」と書かれた公式グッズショップがあり、先発メンバーはそれっぽいカードを並べて掲示している(町田市に広がる『きんじょの本棚』の『FC町田ゼルビア天空の城店』には、ペップ・グアルディオラの自伝も)。 初挑戦のJ1で首位を走る町田ゼルビアの勇ましい冒険──それは異色のホームスタジアムが演出しているものでもある。 「もとは“陸の孤島”と呼ばれていたところだからね」と、ある同業者は言った。確かに交通の便が良いとは言えず、今季序盤戦ではファンが“帰宅難民”になったことも報じられた。それでも逆転の発想のブランディングで、一味違ったスタジアム体験をサポーターに提供しつつ、チームの躍進を後押ししているのだから、中立的な立場から見て面白いと思った。
敗戦後、パリ世代の藤尾翔太が語ったこととは
ただし、当時6位の浦和に敵地で勝てても、16位の新潟にはホームで1-3の完敗を喫した。 この日は前節と異なり、勝負どころで流れを引き寄せることができず、小見洋太に先制された後にすぐ藤尾翔太が同点としたところまではよかったが、前半終了間際に藤原奏哉に勝ち越され、後半に相手の直接FKがDFに当たってオウンゴールとなり、突き放された。 「立ち上がりから町田のサッカーができなかった」と試合後に黒田剛監督は話した。「それぞれの気持ちの準備が足りなかったし、いろんな局面で甘さ、緩さが出てしまった」 4連勝を逃し、リーグ戦の無敗も6で止まり、元青森山田高サッカー部の監督は、怒りと悔しさを滲ませていた。かたや、実際にピッチでプレーしていた選手の中には、異なる感じ方を明かした人もいる。 「監督は気持ち(の問題)とおっしゃったかもしれないですけど、そこは全員が持っていたと思います」と話したのは、U-23日本代表のFW藤尾翔太だ。「球際(の競り合い)は6、7割は勝てていたし、失点した時は取られ方が悪かった。ミスが失点につながっていたので、イージーミスを修正していくことが重要なのかなと思います」
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