【高校野球】仙台育英が東陵に雪辱…山口廉王が涙の0封…4強進出 東北大会王手
◆高校野球春季宮城県大会準々決勝 仙台育英3―1東陵 (22日・仙台市民) 4県で準々決勝が行われ、勝利校が東北大会(6月14~18日・宮城)出場に王手をかけた。宮城は仙台育英が昨秋に敗れた東陵を3―1で下し雪辱。3番手で登板した山口廉王(3年)が4回1/3を無失点に抑え、勝ち越しの足がかりとなる三塁打も放った。 *** 最後は、この日最速となる148キロの直球で空振り三振を奪った。相手のバットが空を切ると、仙台育英の山口はガッツポーズ。昨秋の宮城県大会準々決勝で1―2で敗れ、センバツへの道を断たれた因縁の相手に勝利し「秋に負けてから、本当に長い8か月で…。これまでの気持ちが一気にあふれました」と目を潤ませた。 先発した武藤陽世(3年)が3回3安打1失点、2番手の吉川陽大(2年)が1回2/3を2安打無失点と粘投。山口の出番は、1―1の5回2死一、三塁のピンチからだった。昨秋の東陵戦は先発して3回1/3を3安打で2失点。「変化球の精度とストライク先行にこだわってきた」と長い冬の成果を見せつけるように、遊ゴロの二塁封殺でピンチをしのぐと、6、7回は3者凡退に仕留めた。8回は三塁を踏ませながらも無失点で切り抜けると、直後の攻撃で先頭打者として「絶対に塁に出てやると思った」と中越え三塁打を放って勝ち越しの好機を演出。9回は3者連続三振と圧巻の投球で締めくくり、攻守に貢献した。 須江航監督(41)も「大型なのに、変化球でも(腕の振りが)緩まないのが素材の良さ」と評価し「これからもっとスケールが伸びると予言しておきます」と期待を込める193センチ右腕。誰よりも朝早く練習を開始する努力家。昨秋からは学生コーチも担い「責任感が芽生えて、周りがよく見えるようになった」と精神面でも大きく成長中だ。チームが勢いづく大きな一勝の立役者は「優勝まで一戦必勝で戦っていきたい」と腕を振り続ける。(秋元 萌佳) 〇…仙台城南は仙台南に7-0(7回コールド)で春は初となる4強入りを果たした。2回に相手の失策も絡んで一気に6点を奪うと、6回2死三塁で柿崎創右翼手(3年)が左前適時打を放って7―0。投げてはエース・小塚光貴(3年)が3安打10奪三振で零封し、試合をつくった。角晃司監督(64)は「ラッキーの積み重ねで勝てた試合でした」と苦笑い。25日の東北学院榴ケ岡との準決勝に向け「もう一度調整して、いいゲームをしようと思います」と切り替えた。
報知新聞社