第93回選抜高校野球 三島南、歓喜の初切符 少年野球教室など評価(その1) /静岡
◇県勢21世紀枠も初 29日にあった第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会で、三島市の県立三島南高校が21世紀枠代表として出場校に選ばれた。県勢の21世紀枠での出場は初めて。2020年に創部100年を迎え、春夏を通じて初めて甲子園への切符をつかんだ選手たちは「自分たちのプレーを見せたい」と意気込んだ。組み合わせ抽選会は2月23日。大会は阪神甲子園球場で3月19日に開幕する。【深野麟之介】 午後3時33分、校長室の電話が鳴り、持山育央(やすひろ)校長に21世紀枠代表に選ばれたことが知らされた。持山校長は「ありがたくお受け致します」と答え、受話器をそっと置いた。その場で持山校長から出場の決定を聞いた稲木恵介監督(41)は目に涙を浮かべた。 持山校長はグラウンドに向かい、緊張した面持ちで並ぶ選手たちに「出場が決まりました。おめでとう」と報告。伊藤侍玄(じげん)主将(2年)は「恥ずかしくないプレーができるように精いっぱい頑張ります」と答えた。選手たちは喜びたい気持ちを抑えるかのように、より一層表情を引き締めた。 稲木監督は「(野球体験会などに参加した)1000人の子どもたちが皆のプレーを楽しみにしている。100%のプレーができるように頑張ろう」と鼓舞。稲木監督や伊藤主将が次々と胴上げされると、選手たちはようやく表情を緩め、グラウンドは笑いと拍手に包まれた。 伊藤主将は「公立校らしく、足や頭を使ったプレーをしたい」。投打に活躍する前田銀治選手(2年)は「今まで交流した幼稚園児らに勇気を与えられるようなプレーをしたい」と誓った。