FA流出 広島は大竹の穴をどう埋めるか?
大竹寛のFAによる巨人移籍は広島の首脳陣にも大きな衝撃を与えた。今季16年ぶりのAクラス入りを果たしたのは、前田健太、野村祐輔、バリントン、大竹の先発4本柱が揃ってのこと。10勝投手の損失は、来季の広島の構想を大きく狂わすことになる。それでも突き付けられた現実と向き合わねばならない。野村監督以下、コーチングスタッフは、退団確実の情勢となっていた秋季キャンプの途中から、何度も「大竹の穴をどう埋めるか」を議論してきた。 ■大物ルーキーの大瀬良、九里に期待 「痛いですね。先発ローテーの10勝投手が抜けるわけですから。でも、その10勝をなんとかカバーしなければなりません。どうカバーするかには、いくつかの考え方があると考えています。ひとつは大瀬良大地(九州共立大)と九里亜蓮(亜細亜大)という2人の新人で埋めること。もうひとつが、全員で2勝、3勝と今季の成績から上積みしながらトータルで10勝を埋めることです。新人が活躍をして、それぞれが勝ち星を上乗せできれば、大竹の穴はカバーできるんじゃないですか」 山内泰幸投手コーチは、苦しい胸中を明らかにしてくれた。 3球団の競合の末、くじで引き当てたドラフト1位の大瀬良は、先のサムライジャパンの台湾遠征メンバーにも選ばれ、国際舞台で大器の片鱗を見せた。その試合の現地解説は野村監督だった。山内投手コーチも膝を正してテレビで見たという。 「ストレートに力がありましたね。気持ちの強さも見えました。プロの制球力がどうなのかに未知数な部分はありますが、勝てるピッチャーになると期待はできます。野村も1年目から勝ちました。ただ、新人に関しては現時点では楽しみであって計算はできません。やはり、マエケン、野村、バリントンらの上積みでしょう。マエケンにしてもWBCの影響で4月は不調でした。それで15勝。そう考えると、その分プラスはあるでしょう。バリントンも負けが多い(9敗)。そこをひっくり返せば上積みはあります。彼らに、2つ、3つのプラスをしてもらいたいんです」