「オオタニは彼らとは違うんだよ…」ドジャース大谷翔平にヤンキース球場職員が放った“皮肉”のワケ…徹底的なブーイングのウラに「複雑な心境」
ヤンキースにチャンスが訪れるタイミング
無理もない。恋焦がれ、相手にされなかった相手だ。だが、彼らには誤解もあると感じた。私見ではあるが、なぜ大谷がロサンゼルスの球団を選んできたのか。彼らに説明した。 「二刀流選手にとって気候は重要なポイントだと思う。ニューヨークを含めた東海岸は天候が安定しない。雨での中止や中断がたくさんある。これは二刀流の選手がプレーするには難しい条件になる。スケジュールが一定しないからね。これは大谷にはコントロールできない問題だ。だからどうしても東海岸のチームはチャンスが少なくなってしまうんだと思うよ」 彼らは黙って聞いていた。そして、こんな言葉を投げかけてきた。 「ニューヨークをホームタウンとしてプレーする可能性はないということだな」 ドジャースと10年契約があることは理解した上で返した。 「二刀流をやっている限りは難しいと思うよ。でも、もし彼が打者に専念するときがくれば、気候の問題は関係なくなる。ヤンキースにもチャンスは生まれるかもしれないね」 彼らがようやく笑った。
大谷へのブーイングの裏にある“ヤンキース魂”
ヤンキースには今季パドレスから25歳のスーパースター、フアン・ソトが加入した。アーロン・ジャッジとのコンビはドジャースのベッツ、大谷、フリーマンのMVPトリオに匹敵するほど他球団にとっては脅威の存在だ。ドラフト1位で獲得した伸び盛りの23歳の遊撃手、アンソニー・ボルピも台頭著しい。そして、投手では100マイル近い速球を武器にする26歳のルイス・ヒルがトミー・ジョン手術を経てエース級の働きを見せている。大谷への思いもおさまり、今のヤンキースに満足しているのではないか。だが彼らは違った。『欲しい選手は必ず獲る』。球場職員の立場でも、ヤンキース魂をしっかりと持っていた。 ワールドシリーズ出場40回、優勝27回のヤンキースに対し、ドジャースは出場21回、優勝7回。1958年のロサンゼルス移転前はマンハッタンの対岸の街、ブルックリンに本拠を置いていた背景もあり両球団は特別な関係であり歴史がある。4カ月後の10月にこの伝統球団同士の第120回ワールドシリーズは実現するのか。となれば、ブロンクスのファンは大谷へ大きなブーイングを送り続けるだろう。だが、それは彼らなりの『Love Call』の裏返し。実現を楽しみに待ちたい。
(「メジャーリーグPRESS」笹田幸嗣 = 文)
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