核兵器の恐ろしさ知って 富山で伝承講話のつどい、佐野さん(朝日)広島被爆者の体験語る
「被爆体験伝承講話のつどい」が12日、富山市の富山電気ビルで開かれた。広島市が委嘱する「被爆体験伝承者」として活動する佐野環さん(59)=朝日町=が被爆者の体験を語り伝え、参加者約35人が核兵器の恐ろしさを学んだ。 被爆者の高齢化が進む中、広島市は本人に代わって語り継ぐ伝承者を養成している。佐野さんは夫の転勤で2015年から4年半ほど広島市で暮らし、平和記念公園のガイドを務めた。研修を経て、23年から伝承者として活動している。 この日は、22年に93歳で亡くなった在日韓国人2世、李鐘根(イジョングン)さんから聞き取った証言を伝えた。李さんは16歳の時に被爆し、外国人として、被爆者として二重の差別に苦しんだ。「被爆者は日本人だけでなく、多くの外国の方も含まれていた事実を知ってほしい」と強調していた。 佐野さんは「他人に優しく、思いやりを持てば差別や戦争は起こらない」という李さんの言葉を紹介し「広島や長崎だけでなく、日本中、世界中の人が記憶を受け継いでいくことが平和につながる」と訴えた。
つどいは、核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会(金井英子世話人代表)が毎年8月に開いている。