定年退職したら自由に旅行に行きたいと思っていたのに、娘から「老後資金がなくなるよ」と注意されました。旅行を控え、貯めておいたほうがよいのでしょうか?
定年退職を機に、自由に旅行に行きたいと考えていたものの、娘さんから老後資金のことで注意を受けてしまった相談者さま。旅行は控えたほうがよいのかお悩みのようです。ただ、何もせずに諦めてしまうのはもったいない! まずは、資金計画をし、無理ない範囲でセカンドライフを楽しむ方法を考えてみてはいかがでしょうか? ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
定年退職後の生活費をシミュレーションすることから始めよう
定年退職した後に、旅行へ出掛ける方は多く、私自身も、旅行を楽しまれているシニアの方々のご様子を何度かお見掛けしています。自由に旅行へ出掛ける姿に憧れるのも納得できます。 とはいえ、定年退職を迎えてそれまでの一定の収入がなくなった場合には、現役世代よりも使えるお金は限られてしまいますので、自由に旅行に行くのは、無理があるかもしれませんね。 そこで大切になってくるのが、現役を退いて収入がなくなった場合、何にどれくらいのお金がかかるのかシミュレーションをし、いくらまでなら日常生活に支障なく旅行を楽しめるのか、金額を知ることが大切になってくるのです。 生命保険文化センターが2022年度に行った「生活保障に関する調査」によると、老後の最低日常生活費は平均23.2万円。レジャー費などを加えた、ゆとりある老後生活費は平均37.9万円という結果が出ています。 この結果は、あくまでも平均値であり、他の方たちが考えているお金の使い道となっていますが、自分がセカンドライフを迎えたときには、いくら必要になるのかをあらかじめシミュレーションしておくことが必要です。 シミュレーションするときには、今かかっている費用を参考にしながら、食費、水道光熱費、住居費、諸税などのデータを使います。シミュレーターは自分で用意してもよいのですが、民間の保険会社や公的な機関のものを使っても良いでしょう。
セカンドライフのライフイベントを考えてみよう
シミュレーションをして、自分の生活に余裕があるのか、いくらなら使っても良いのかを考えて旅行をイベントとして計画してみましょう。 計画するときには、予算から決めても良いのですが、行きたい場所から決めてもよいでしょう。ただし、必ずあらかじめ計画した予算以内で楽しめるように計画することが大切です。 また、自由に旅行を楽しみたいと考えていらっしゃるのであれば、どのくらいの頻度で旅行にいくのかも考えてみましょう。 海外旅行に毎年行きたい、国内旅行を半年に1回等、どのように旅行を楽しみたいのかを考えて、いつまで(何歳まで)に何回いくのかも計画してみてください。 自分が計画した頻度や予算では自由に旅行に行けないようなら、1年に1回を2年に1回の旅行にする、旅行先を今よりもリーズナブルな場所へ変更することも必要です。 セカンドライフを迎えると、他にも楽しんでみたいことや組み入れたいイベントもあるかもしれません。そのようなときには、それらの金額も組み入れて、再度、シミュレーションをして、セカンドライフに支障はないのかを確認する作業も行ってください。