【Japan Data】宮崎駿監督、2度目のオスカー獲得なるか? 賞レース本命「君たちはどう生きるか」
世界的なアニメーション映画監督、宮崎駿監督の最新作が米アカデミー賞にノミネートされた。受賞すれば2度目のオスカー獲得となる。
宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」(英語版タイトル:The Boy and the Heron)が、米映画界最大の祭典である第96回アカデミー賞の長編アニメーション賞部門の候補作品に選ばれた。前哨戦の映画賞を受賞するなど、高評価が相次いでいる。 同作品は、ニューヨーク映画批評家協会賞とロサンゼルス映画批評家協会賞でそれぞれ最優秀アニメーション賞を受賞した。1月7日には、アカデミー賞の前哨戦と位置づけられる第81回ゴールデン・グローブ賞でアニメ映画賞に輝いた。非英語作品が同賞を受賞するのは初めてで、3月のオスカー(アカデミー賞で授与される像)獲得に期待が膨らむ。アニメ界のアカデミー賞と呼ばれる第51回アニー賞でも、長編作品賞など7部門にノミネートされている。宮崎監督の作品がアカデミー賞の長編アニメーション部門候補となったのは4度目で、2003年には「千と千尋の神隠し」で初めてオスカーを獲得した。 「君たちはどう生きるか」は、宮崎監督による12作目の長編だ。前作「風立ちぬ」(2013年公開)をもって長編作品から引退すると表明したのを撤回して製作された。原案と脚本も宮崎監督が手掛けた。タイトルは、宮崎監督が強い感銘を受けたとされるジャーナリストで編集者の吉野源三郎が著した児童向け小説の題名から借りているが、同小説を映画化したものではない。 作品の舞台は戦時中の日本。米軍機の空襲によって母親を亡くした少年眞人(まひと)が、父親の再婚相手の女性が行方不明となって捜すうちに、奇妙なアオサギに導かれて不思議な世界へ入り込むというストーリーだ。 映画情報サイト「ボックス・オフィス・モジョ」によると、米国では2023年12月8日に公開され、7日連続で興行収入1位を記録した。2024年2月5日時点での興行収入は、米国で累計約4500万ドル、世界全体では累計約1億6500万ドルとなっている。 アニー賞の発表・授賞式は2月17日、米ロサンゼルスのカリフォルニア大学ロサンゼルス校で、アカデミー賞の発表・授賞式は3月10日、米ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで行われる(いずれも現地時間)。