世界観ぶち壊し…大失敗・大不評のゲーム実写化映画(5)なぜそうなる? ツッコミどころ満載の大コケ映画
優れたゲームを輩出することで、世界的にそのブランド力が認められている日本。今回は、日本発の名作ゲームを映画化したものの、ゲームファンから不評を呼んだ失敗作を厳選してご紹介する。原作の雰囲気をぶち壊した作品からストーリーが捻じ曲げられてしまった作品などをセレクト。観ていて思わずリセットボタンを押したくなる作品ばかりを揃えた。今回は第5回。(文・ZAKKY)
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993)
監督:ロッキー・モートン、アナベル・ヤンケル 脚本:エド・ソロモン、パーカー・ベネット、テリー・ランテ 出演:ボブ・ホスキンス、ジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、サマンサ・マシス 【作品内容】 太古の地球に隕石が衝突し、哺乳類の世界と恐竜が生存する別世界とに分かれる。時は経ち、現代のブルックリンにて修道院の前に卵が入った容器が置き去りにされた。その卵から人間の赤ちゃん・クッパが誕生する。20年の時が流れ、配管工事の仕事をするマリオとルイージ兄弟は、建設現場で恐竜の化石が発見されたことから、恐竜族との戦いに巻き込まれてゆく。 【注目ポイント】 日本が誇る世界的知名度を誇るゲームの実写化だが、公開されるや各方面から非難を浴び、興行的にも大赤字となった曰くつきの一作。 ゲームに登場するキャラクターを実写化したはずなのに、人物設定やビジュアルに相違点がありすぎて、戸惑う。製作者に、「なぜマリオを原作としたのか?」とツッコミたくなる。 「地下に恐竜の生き残りが作った帝国がある」という世界観。おそらく、ヨッシーをフィーチャーしようとしたのだろうが、その割には出番も少ない。また、その見た目は愛くるしさの欠片もない、ただの恐竜だ。ちなみに、クリボーも、まったく原型を留めていないただのクリーチャーである。 本来、亀であるクッパだが、映画版では「恐竜族のボス」という設定に。そして、ヒロインには、ピーチ姫ではなく、ゲームボーイ用ソフト『スーパーマリオランド』でお馴染みのデイジーをコンバートしている点もまったく必然性が感じられず、首を捻らざるを得ない。 一方、ルイージ役にジョン・レグイザモ、クッパ役にデニス・ホッパーという名優を配しているという点は評価できる。とはいえ、映画としての美点が「無駄に豪華なキャスティング」にしか見出せないというのはいかがなものだろうか。
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