【高校野球】駿河総合の合言葉は「先輩超え」…OBオリックス・紅林弘太郎も逃した優勝を…全国高校野球選手権静岡大会・話題校紹介
駿河総合が、OBでプロ野球のオリックス・紅林弘太郎遊撃手(22)を、お手本に旋風を巻き起こす。昨年末に先輩が同校を訪れ、練習に参加した。侍ジャパンにも選出されたOBから刺激を受けた後輩たちは、2019年に準優勝だった先輩も成し遂げられなかった初Vを目指す。 「先輩超え」がチームの合言葉だ。オリックスでレギュラーとして活躍する紅林も出場できなかった甲子園の舞台を駿河総合が狙う。特に、同じ遊撃手で一緒にノックを受けた柳原武侍主将(3年)は「参考になった」と、動きを目に焼き付けている。先輩が3年生だった2019年の県準優勝超えに照準を合わせる。 昨年の練習は柳原にとって、かけがえのない時間だった。187センチ、94キロの紅林に対して165センチ、73キロと体格は違うが、憧れの選手をその目で追いかけた。「体は大きいのに腰を低くして捕球体勢を取る。理想的な形でした」。守りの要として内野をもり立てる男には最高の“教材”だった。 5年前の県決勝をテレビで見て存在を知った。「プロから注目される選手ってすごい」。その年、ドラフト2位でオリックス入り。憧れの選手と同じ学校への進学を決めた。「よく駿河総合って紅林さんが卒業した高校ですよね、と言われる時がある。それが自慢」と、胸を張る。 攻撃では嶋村晃太郎中堅手(3年)がチームを引っ張る。字こそ違うが、紅林と同じ名前の「コウタロウ」。先輩の打撃練習を見て「スイングの軌道がすごくきれいだった。すごく、参考になった」と目に焼き付けた。昨秋の3番から1番に上がった切り込み隊長が、先輩ばりの長打力と50メートル5秒9の俊足で、打線に勢いをつける。 9年ぶりにシードで迎える夏。パ・リーグ4連覇を目指して奮闘しているOBに負けじと、後輩も初の県制覇へ燃えている。「紅林さんのような突出した選手はいないけど、チーム力で勝っていきたい」と、柳原主将。学校の歴史を塗り替え、先輩へ吉報を届ける。(塩沢 武士)
報知新聞社