連続強盗 「織田信長」など複数アカ使い指示か 手口から見る犯行グループの正体は?
■指示役「織田信長」は複数アカウント名使用か
一連の緊縛強盗事件ですが、指示役は、複数のアカウント名を使っていた可能性があります。 一つの事件で、複数のアカウントから実行役に指示が出されていたり、同じ名前で複数の事件に関与している例もあります。 市川市の事件で逮捕された藤井容疑者も、この中の指示役とやり取りしていた可能性があります。 藤井容疑者のスマホを調べたところ、SNSで『JOJO(ジョジョ)』というアカウントとやり取りをしていたことが判明しました。 この『JOJO』というアカウントですが、先月10日、東京都練馬区で発生した逮捕監禁致傷事件で、『JOJO』というアカウントから実行役に指示が出ていました。 この練馬で発生した逮捕監禁致傷事件は、先月10日に練馬区の路上で40代男性を木刀で殴るなどしてけがをさせた後、車で連れ去り、5時間監禁した事件で、実行役5人が逮捕されています。 実行役は、SNSの『闇バイト』を通じて集まり、指示役から「殴ってもいいから男性を連れてこい」と指示を受け犯行に及んだということです。 指示役の逮捕についてです。 一連の緊縛強盗事件では、すでに30人以上の実行役や見張り役が逮捕されていますが、指示役は未だ逮捕されていません。 元大阪府警刑事の中島正純さんです。 「1つの事件で複数のアカウント名が使われているが、実際は多くても3人で、複数のアカウント名を使っている」
■手口から見える 指示役の人物像は
【集合場所から見える『リスク無視』の姿勢】 16日に起きた千葉県白井市の事件です。 現場付近では、地元のタクシー運転手が、事件直前の夜11時40分ごろ、現場近くのコンビニまで客を乗せました。 運転手は、 「スマホを出して(コンビニの)画像を見せてきて、『ここに行きたい』と言われた」と話しています。 17日に起きた千葉県市川市の事件です。 集合場所について、藤井容疑者は「新小岩に集合することになっていた」と話しています。 事件現場まで直線で約10キロです。 さらに、犯行直前に、市川市内のコンビニに立ち寄っています。 指示役に場所を指定された可能性もあります。 犯罪社会学者の廣末登さんによると、指示役の人物像について、 「指示役が実行犯を当日集合させるのは、実行犯同士に事前に情報交換させないための常套(じょうとう)手段。今回、防犯カメラがある場所に集合させているケースもあり、指示役は実行犯が捕まるリスクを考慮していない」といいます。 【被害金額・連れ去りから見える『雑な事前情報』】 千葉県白井市の事件では、犯行時、資産を知っているような言葉があったということです。 被害は現金約20万円と車です。 犯行時、犯人は被害者に対し、「1000万円あるだろ?」と脅しています。 合同捜査本部は、何らかの方法で被害者の個人情報を知っていたと見ています。 こうした背景には闇名簿がある可能性です。 闇名簿は、『闇の名簿屋』と呼ばれる業者が不正に入手した個人情報などから作った名簿です。 学校や会社、病院などの内部の人が持ち出して、『闇の名簿屋』に売る、または企業等で個人情報が流出するなどして、『闇の名簿屋』に渡ってしまい、それが、犯罪グループに売られます。 一連の強盗事件では、被害金額にばらつきがあります。 埼玉県所沢市の事件では、被害が現金約8万円など、東京都国分寺市の事件では、現金約550万円などです。 廣末さんです。 「金額にばらつきがあり、犯人側の事前の調べが『甘い』。情報や名簿の『質が悪い』のでは」 この闇名簿の『質』です。 『質が良い』闇名簿は、高額で取引されます。 資産の詳細な情報があり、これまで犯罪に使われていない名簿です。 『質が悪い』闇名簿は、安く取引されます。 資産の詳細な情報がなく、すでに犯罪に使われています。 そのため、名簿に載っている人の警戒心が高まっているということです。 千葉県市川市の事件では、強盗に加え、住人の連れ去りがありました。 廣末さんによると、 「強盗に入った際に、事前の情報よりもお金が少なく、『本当にお金がないか』や、カードの暗証番号などを聞き出すため、指示役が被害者を連れ去らせた可能性」があるといいます。 また、雑な事前情報でも犯行に及ぶのは、なぜなのでしょうか。 「実行役が逮捕されるのは織り込み済みなので、逮捕されるまでに少しでも多く金を得ようとして、詳細な情報がなくても犯行を繰り返させているのでは」ということです。 (「羽鳥慎一モーニングショー」2024年10月21日放送分より)
テレビ朝日