老後を見据えて物価が安い田舎に引っ越そうと思います。家賃6万円なら年金月20万円で悠々自適に暮らせますか?
食品や日用品、電気代などの物価が上がり続けるなか、老後の生活に対して不安を感じる人は少なくないでしょう。 生活費に占める割合が大きい項目のひとつに、「家賃」があります。少しでも家賃を抑えるため、田舎に引っ越すことは効果があるのでしょうか。本記事では、東京都と地方の家賃の差や、老後を地方で暮らした場合に必要な金額について説明します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
2LDKで比較! 東京都と地方の家賃の違いはどのくらい?
全国賃貸管理ビジネス協会の「全国家賃動向」で2024年6月の調査によると、東京都と地方の平均家賃は次の通りです。 【2部屋の間取りを借りた場合の平均賃料】 ・東京都 9万1168円 ・北海道 5万3541円 ・宮城県 5万9979円 ・栃木県 4万8957円 ・埼玉県 6万5074円 ・千葉県 6万778円 ・神奈川県 7万4465円 ・愛知県 5万9055円 ・石川県 5万1825円 ・大阪府 6万8065円 ・広島県 5万9268円 ・香川県 4万8631円 ・福岡県 6万5635円 ・沖縄県 5万6286円 平均賃料が9万円を超えているのは東京都のみです。なお、首都圏である神奈川県・埼玉県・千葉県や大都市圏である大阪府・愛知県・福岡県などは、全国のなかでも賃料が高い傾向にあります。 キッチン以外に2部屋ある間取りの物件を借りた場合、東京都であれば約9万円、東京都以外の地方であれば平均額が約6万円です。そのため、地方であれば東京都で暮らすより3万円ほど安く借りられます。
65歳以上の夫婦世帯の生活費はどのくらい?
2022年の家計調査によると、65歳以上の夫婦世帯における1ヶ月の支出額は次の通りです。 【1ヶ月の支出内訳】 ・食料 6万8871円 ・住居 1万5551円 ・光熱・水道 2万2806円 ・家具・家事用品 1万650円 ・被服及び履物 5662円 ・保健・医療 1万6312円 ・交通・通信 2万9799円 ・その他(娯楽費を含む) 7万3427円 65歳以上の夫婦であれば、生活費は月々およそ24万円かかります。ただし、65歳以上の世帯の居住形態は、持ち家が92.3%を占めています。老後を賃貸住宅で過ごすなら、さらに支出額は増えるでしょう。 例えば、家賃6万円の部屋を借りて老後を過ごす場合、夫婦世帯の毎月の生活費は約30万円です。賃貸の場合、家賃を払い続けなければならないため、地方に住んでいたとしても負担は小さくありません。 東京都に比べると地方のほうが家賃を抑えることは可能ですが、地方でも賃貸住宅で老後を過ごすなら安定した収入や十分な貯蓄が必要です。 また、高齢になると、孤独死のリスクや収入の問題から賃貸の契約が難しいケースがあります。賃貸住宅は「ライフステージに合わせて住み替えしやすい」などのメリットがありますが、デメリットやリスクも考慮したうえで検討しましょう。
まとめ
地方で2LDKの部屋を借りる場合、平均賃料は東京都と比べると3万円ほど安く抑えられます。しかし、老後を賃貸住宅で生活する場合、地方であっても賃貸料が生活費を圧迫する可能性があります。 居住費は、老後の生活において支出額を大きく左右する項目です。老後の住居については、早い段階からしっかり計画を立てて準備しましょう。 出典 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年 表番号4 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部