「政治とカネ」で 岸田首相を追及…実効性と国民の信頼回復は? 国会集中審議のポイントを解説
日テレNEWS NNN
「政治とカネ」をめぐる29日の国会での集中審議で、岸田首相が答弁した主なポイントはこの3つです。 連座制の導入 :自民党で方針まとめる 政策活動費 使途公開:「議論する」にとどめる 安倍派幹部らの処分 :聞き取り調査を実施 まず、収支報告書の不記載などについて、会計責任者だけでなく、政治家の責任を問えるようにする「連座制」の導入ですが自民党で方針をまとめ各党で議論する考えを示しました。 次に、額が大きいのに使い道が分からない政策活動費の使い道を明らかにすることには「議論したい」と述べるにとどめました。 そして、安倍派幹部らの処分に向け自民党内で聞き取り調査を行うと明らかにしました。 これらのポイントについて、政治部の天野裕貴・野党担当キャップに話を聞きます。 ◇ まず「連座制の導入」についてですが、岸田首相は「『連座制も含めて』党の考え方をまとめ、各党と議論する」と述べました。これまで岸田首相は「連座制の導入」について考えを述べることはありませんでした。 野党各党だけでなく、与党の公明党も「連座制の導入」を主張したことから、「連座制導入」の議論に応じざるをえなくなった形です。 ただ、ある首相側近は「議論は否定しないが、課題は非常に多い」と話し、連座制の導入は簡単ではないと明かしています。 ──簡単ではないということですが、どういうことが課題なんでしょうか? 例えば、会計責任者が政治家をおとしめようとわざと収支報告書にウソの記載をした場合などに政治家が責任を問われる可能性が出てくることです。 そのため、連座制の導入に前向きな自民党のベテラン議員も「どこまでを連座制の対象にするかは細かい議論が必要だ」とクギを刺しています。 ──続いて、使い道は明らかにしなくていいという「政策活動費」についてはどうなるのでしょうか? 岸田首相は「各党と法改正も含めて真摯に議論する」として議論は否定しませんでしたが、具体的にどうする、とは言及しませんでした。 ある自民党ベテラン議員は「使い道を公開しなくていいからこそ権力の源と言える」と指摘していて、自民党内には慎重な意見が多いのが現状です。 ──最後に、逮捕者まで出した安倍派ですが幹部らへの処分は、どうなるのでしょう? 岸田首相は29日、まず自民党内で聞き取りを行う考えを示しました。安倍派は、あさって31日にも政治資金収支報告書の訂正を届け出る方針です。こうした訂正の内容などもふまえた上で、最終的な処分を検討するものとみられます。 ──どのような処分になりますか? 党内からは、国民世論も意識して離党を含めて厳しい処分を求める声があがる一方で、ある自民党幹部が「党を割ってはいけない」と話すなど、処分が厳しすぎると党分裂のきっかけにならないかと心配する声もあがっています。岸田首相にとっては非常に難しい判断となりそうです。