モスクワのテロ、死者133人に-プーチン氏はウクライナの関連示唆
(ブルームバーグ): ロシアのモスクワ郊外にあるコンサート会場で22日夜発生した20年余りで最悪のテロ攻撃で、死者数は133人に達した。
プーチン大統領は23日のテレビ演説で、ウクライナに逃亡しようとしていた4人の容疑者を逮捕したとロシア国民に語った。プーチン大統領はウクライナ当局の関与に直接言及はしなかったが、容疑者たちがウクライナへの国境を越えるための 「窓」が用意されていたと述べた。証拠は示さなかった。
ウクライナはいかなる役割も否定し、ロシア政府による偽旗作戦だと主張した。「イスラム国(IS)」はテレグラムを通じて犯行声明を出し、襲撃を行ったとする4人の写真を掲載していた。
モスクワでのテロの犠牲者数としては、2002年にチェチェン共和国の分離主義者たちによる劇場占拠事件以降で最大となる。22日の襲撃は、プーチン氏が大統領選挙で87%の得票率で5期目の当選を決め、ロシアへの支配を固めた数日後に起こった。
ホワイトハウス国家安全保障会議のワトソン報道官は23日の声明で「この攻撃はISの単独犯行だ。ウクライナの関与は一切なかった」と強調した。
同報道官は、米国が3月上旬に「モスクワでテロ攻撃が計画されている」という情報をロシアと共有していたとし、在モスクワ米大使館が7日に公開した「過激派がコンサートを含むモスクワの大規模な集まりを標的にする差し迫った計画を持っている」との警告を指摘した。
プーチン大統領は、「クロクス・シティー・ホール」でのロックコンサートで起こった自動小銃と爆発物による「野蛮な」襲撃に直接関与したすべての人物を当局が拘束したと明らかにし、24日を国民追悼の日とし、襲撃を指示・組織した犯人を追及すると宣言した。
ロシア連邦保安局(FSB)はウクライナと国境を接するロシアのブリャンスク州で容疑者を拘束したと発表。インタファクス通信はFSBの声明を引用して、容疑者らが「接触のあった」ウクライナへの入国を計画していたと報じた。