“AI審判”は導入すべき?ビデオ判定による誤審を経験した元プロ野球審判員「不十分なテックは危険」
ニュース番組『ABEMA Prime』が、平日21時より「ABEMA NEWS チャンネル」にて生放送されている。29日(木)の放送では、スポーツの誤審がたびたび話題となる中、AIなどのテクノロジーをどこまで導入すべきなのかを考えた。 【写真】“AI審判”は導入すべきかを考えるEXITのりんたろー。、ほか番組カット【3点】 番組MCを務めるお笑いコンビ・EXITのりんたろー。は「僕が好きなサッカーで例えると、マラドーナの“神の手”はスポーツテックが導入されていたら生まれていなかっただろうし、逆にテックがあったからこそ三笘薫選手の“三笘の1ミリ”は生まれたんだと思う。良いところもあれば悪いところもある」とコメント。 その上で、「今はスポーツの結果だけではなく、態度や言動でも非難を浴びるような時代。こうなってくると、判定も人間が背負えなくなり、ゆくゆくはテックを導入することになるのでは?」と指摘した。 相方の兼近大樹も「『審判が絶対』と言われていた時代なら、テックは必要なかったと思うが、今はそうじゃない。審判じゃない人たちが、後から動画で何度も確認して、『これは間違っている』と意見する。無法地帯のように審判を批判しているから、やりたい人は減っていき、AIがジャッジするしかなくなるのでは?」と話した。 その一方で、兼近は「『テクノロジーが追い付くのかな?』という疑問は残る。野球の危険球退場にあたる場面では、すっぽ抜けた球であれば打者の頭部近くにいっても退場にならないケースがある。このような場面で故意か、そうではないのかを、AIが区別できるのだろうか?」と首を傾げた。 また、ゲストの元プロ野球審判員の坂井遼太郎は「不十分なテクノロジーを導入することは危険が生じると思う」とした上で、自身が経験したビデオ判定による誤審に言及。「僕はファールと判断したが、リクエスト要求があってビデオ判定をした。そこは球団のメイン球場ではなかったため、打球を捉えていたカメラが1つしかなく、さらには画角も良くなかった。僕以外の審判団全員が慎重に見た結果ホームランになったが、試合後に守備側チームが大抗議し、再度協議した結果ファールとなる誤審になった」と明かした。 プロ野球ファンの兼近は「こういうこともあるんだよなぁ…」とポツリ。その上で、「どうしても人間が審判をしていると、『さっきはストライクだったのに、うちのチームだとボールになるな。審判はこのチームが嫌いなのかな?』とか、勝手に思っちゃうこともある(笑)。また、審判の判定を『間違ってるんじゃないか?』と疑っても、ビデオ判定で審判が正しいことが証明されたら『やっぱり素晴らしい!ごめん!』と手のひらを返して盛り上がったりする。審判の技術も含めて、野球観戦を楽しんでいる部分もありますよね」と語った。
ENTAME next編集部