ECBは6月に利下げ、年内と来年は追加利下げが続く-仏中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は6月にまず金利を引き下げ、今年と来年に追加利下げを続けていく必要があるだろうと、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が語った。
ビルロワドガロー氏は、インフレ率を2%に戻す最後の1マイルが一段と難しいとの懸念を裏付ける「確固とした証拠がない」以上、金融政策を緩和する時機は到来したと主張。従業員1人当たりの平均賃金も伸びが大きく減速し、賃金と物価が相乗的に上昇する兆しもないと指摘した。
16日に米ニューヨーク経済クラブで同氏は、「大きな衝撃や予想外の事態がない限り、ECBは6月6日の次回会合で初回の利下げを決めるべきだ」と明言。「その後は、実際的で機敏な漸進的政策を支持していきたい。今年と来年は追加利下げが必要だろう。そのペースはデータが導く。本当の意味で会合ごとのアプローチとなる」と続けた。
ラガルド総裁は先週、ECBが6月の利下げ開始に向けて確固とした路線を進んでいることを示唆した。ビルロワドガロー氏に先駆けて16日にCNBCに語ったラガルド氏はこのメッセージを強め、追加的な衝撃がなければECBの景気抑制的な姿勢を「それなりの短期間に」緩和すべき時期に向かいつつあるとの認識を示した。
ラガルド総裁、一段のインフレ鈍化ならECBは利下げに向かう (1)
ビルロワドガロー氏は、インフレ率は向こう数カ月に「上下」するだろうとしつつ、「それでも来年までに、われわれの目標である2%に戻るだろう」と述べた。
ECBはエネルギー価格を押し上げ得る地政学的な動向を注意深く監視するとも説明。だが、初回の利下げがあった後も、政策はしばらくの間はまだ景気抑制的だろうと語った。
原題:ECB to Cut More in 2024 and 2025 After June, Villeroy Says (1)(抜粋)
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Alexander Weber, William Horobin