日本初 オランダ製大型選果機を導入 “より多くのリンゴ”を国内外へ /弘前市
青森朝日放送
より多くのリンゴを国内外へ届けます。弘前市の選果場に、日本初となるオランダ製の大型選果機が導入されました。 おいしそうな赤~いリンゴ。甘い香りを漂わせながら次々と箱詰めされています。ここは、農産物の生産・販売を手掛ける「日本農業」のリンゴ選果場。 5年の歳月をかけて新たに導入したのは、オランダのGREEFA社製の大型選果機です。導入経費は3億円でレーンの長さはおよそ50メートルあります。 これまで使っていた日本製の選果機との違いは。 【日本農業 青森事業統括 松本康平執行役員】 「リンゴの表面360度機械で見て判別できるというところが一番大きな違いになります」 【稲葉千秋アナウンサー】 「レーンの上でリンゴがクルクルと回転されているため、選果機の中では360度の撮影ができるんです」 こちらの選果機には、カメラが20機内蔵されていて、リンゴ1個につき150枚の画像を撮影します。 それにより、色やサイズ、糖度のほか、これまで人の手で確認していた傷なども、機械で判別することができます。 【日本農業 青森事業統括 松本康平執行役員】 「従来の選果機だと、リンゴがカップに載って動いてきてそれを上から1枚写真を撮って、上からの表面積と色味を見るというそういった機械でした」 「今まで人が目視でリンゴを回転させながら(傷などを)見ていたことが機械でできるというのが、一番大きな違いだと思います」 新しい選果機による作業負担の軽減は、従業員だけではなく、生産者にとっても。これまで生産者は、収穫作業と同時に、リンゴに傷が付いていないかを繰り返し確認していて、大きな負担となっていました。 新しい選果機の導入で、選果作業をせず入庫する「ぶっこみ入庫」が可能となりました。 【板柳町の生産者 齋藤克康さん】 「全部自分で今までは何種類もの選果をしていたんですけれど」 「全部こっちの方で選果してくれるということで、すごく労力の軽減になっています」 「1カ月とか何十日分の労力の軽減にはなっていますね」 さらに、選果のスピードにも注目です。従来の選果機は、1秒間に3個のリンゴを選別していましたが、新しい選果機では1秒間に8個を選別。従来のおよそ3倍の処理能力を持つため、大幅な製造量の増加も期待できます。 【日本農業 青森事業統括 松本康平執行役員】 「農家さんから預かったものを一度大量にしっかりと選別をして、適切なタイミングで適切な場所に適切な価格で販売する。それができるような製造量があるというのが、一つ大きな特徴だと思っています」 日本農業では現在、青森県内およそ800の契約農家が生産した15品種のリンゴを取り扱っていて、国内での販売のほか、台湾や香港、フィリピンなど10の国や地域へ輸出しています。 今シーズンは、昨シーズンのおよそ2.5倍となる1万9000トンの選果を行う計画です。 【日本農業 青森事業統括 松本康平執行役員】 「自分たちが新しい技術を取り入れたりとか、販路をもっともっと開拓していくことで、生産者もリンゴ産業全体ももっともうかるような、成長していけるような、自分たちがそういうことをけん引していけるような、そういう事業を展開していきたいと思っています」