香川県が南海トラフ巨大地震被害想定を見直し 10年間で状況変化…“備え”を迫られる自治体/備えのツボ
岡山放送
備えの基本を押さえて防災力アップを目指す備えのツボ。今回は「巨大地震の被害想定」についてです。防災担当の森岡さんです。 (森岡紗衣記者) 「香川県では今、南海トラフを震源とする巨大地震の被害想定について10年ぶりに見直しが行われています。この被害想定は国が策定したものに加え、都道府県ごとに策定されています。地形や地盤など地域特性を踏まえた被害を想定することで、巨大地震発生時に必要な対策などを取れるようにします。ただ、今の国が策定した南海トラフ巨大地震の被害想定は2012年に公表されたもので、香川県の被害想定も10年前の2014年に公表されました」 ・・・10年も前だと、この間に熊本地震、能登半島地震など全国で地震が相次いでいますよね。 (森岡紗衣記者) 「そこで国は被害想定の見直しに向けて議論を進めていて、それに合わせて香川県も見直しを検討することにしました。どのように見直されるのでしょうか」 10月2日、香川県と専門家による2回目の検討会議が開かれ、発生頻度が高いとされる地震についても被害想定を新たに盛り込む方針が示されました。 南海トラフ巨大地震の想定震源域の東側と西側のどちらか一方で地震が起き、時間を空けて反対側でも連動して地震が起きる「半割れ」と、想定震源域のプレートが全て一気にずれ動く「全割れ」。それぞれで被害想定が算出されます。 (香川県危機管理課 籔根正浩課長補佐) 「これまでの10年間の防災対策の進捗状況や人口減少など社会条件が変化している。最新の知見やデータを活用して、より精度の高い被害想定として防災減災対策につなげていきたい」 (森岡紗衣記者) 「これまでの香川県の被害想定ではまだ発生したことのない最大レベルの地震の想定が行われていましたが、現段階で議論が進んでいるのが発生頻度がより高いとされる地震の被害想定です。 「半割れ」と「全割れ」、それぞれのケースで被害想定が進められています。検討会では2018年の熊本地震や2024年1月の能登半島地震など過去に起きた地震を踏まえ、香川県がこの10年で進めてきたハード・ソフト面での対策などを活用し、2025年7月をめどに新たな被害想定を公表する予定です」
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