小4が迷子の幼児を保護 車道で右往左往 「助けなあかん」 京都
助けなあかん――。夜の車道に飛び出した迷子の幼児に声をかけ、安全な場所に誘導しながら保護したとして、京都府警八幡署は京都府八幡市男山竹園、市立くすのき小４年、柴田藍（らん）さん（１０）に感謝状を贈った。親とはぐれ、しきりに走り回る幼児と自分の両方が事故に遭わないよう、追いかけて根気よく声をかけ続けた小学生の行動に、警察からも称賛の声が上がった。 同署などによると、柴田さんが９月２１日午後８時ごろ、自宅近くのコンビニエンスストアに買い物に行ったところ、店前の市道の車道部分に立って右往左往している市内の男児（５）を見つけた。交通量が多く、自動車も次々走り去り、ヘッドライトにくっきり照らし出された男児は、時々「キャー」などと悲鳴を上げていたという。 店の駐車場からは、男児の母親が名前を呼んでいたが反応しないため、柴田さんも男児に大声でその名を呼んで「あぶないよ」と声をかけた。男児はやがて車道から歩道へ上がったが、パニックを起こしたように騒ぎながら歩道のない別の道へ走り去った。柴田さんは追いかけながら、男児が車の走る道に出ないよう「あぶない」「ちょっとまって」と声をかけ続け、店から約５００メートル離れた公園で立ち止まったところを、探しに来ていた男児の父親に無事引き渡した。 現場は男山団地内の、大阪府枚方市に通じる幹線道路。男児の姿が見えないので、家族が同署に通報し捜していた。 ２２日に同署で柴田さんに感謝状を手渡した橋口紀子署長は「勇気をもって男の子を救ってくれた。車の多い道路で、自分も男児も傷つかないよう安全な行動を取ったのも素晴らしい」と、その行動と冷静さをたたええた。柴田さんは「走るのはあまり得意じゃなかったけど、『助けなあかん』と必死だった。汗まみれで追いかけた」と振り返り、「あの小さい子が無事で本当に良かった。将来、小さな子たちを助けたり教えたりする仕事に就きたい」とにっこり笑った。【鈴木健太郎】
