帰省先でも簡単にできる! 親が認知症かどうかがわかる5つのチェック
「丸紅の40~50代社員4,000人への調査で、2016年に介護の可能性があると答えた人は84%」 13年のNHKクローズアップ現代で放送された調査結果です。いよいよ、その16年になろうとしています。 この年末年始、故郷へ帰省される方もいらっしゃるかと思います。久々に会う両親や祖父母の変わった姿を見て、改めて「介護」を意識することになるかもしれません。 私は40歳のとき、子宮頸がんで余命半年と宣告された祖母の介護が始まりました。同時に母の認知症も発覚し、介護離職しました。東京と岩手の500kmを往復する遠距離介護生活は、4年目に突入しました。東京が拠点で妻と2人暮らし、母と同じ県内に嫁いだ妹が1人おります。父は25年前に出て行ってしまい別居中、母は1人暮らしです。 多くの人は「大変だね」と言いますが、当の本人は「しれっと」介護しています。なぜ「しれっと」できるのかも、お伝えしていきます。 1980年代は男性16%、女性84%と圧倒的に女性が介護する時代でした。「介護嫁表彰」という制度があり、女性が介護する事が美徳と考えられていました。ところが、内閣府が公表している「平成27年版高齢社会白書」によると、介護者の男女比は男性31.3%、女性が68.7%。今後、さらに男性比率は高まっていくと言われています。 これから5回に渡って、認知症や遠距離介護についてお話していきます。一般的な教科書的内容ではなく、より実践的な内容になっています。私自身もし3年前に戻れたら、こうやって認知症を見つけ、こう遠距離介護する! という視点で、読者の皆さまにプラスになる情報をお伝えできればと思います。
認知症の種類を覚えるよりも、もっと大切なこと
認知症と言っても種類は様々で、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、ピック病、脳血管性認知症などがあり、私の母のようにアルツハイマー型とピック病がミックスしたような型もあります。 これらを覚えるよりも、まずは認知症とMCI(軽度認知障害)の違いを理解することが大切です。なぜなら、MCIという認知症予備軍の段階で発見できたら、回復する可能性があるからです。認知症を発症してしまうと、現在の医学では根治は不可能です。 このMCIですが、アメリカでは5割が認知症を発症、4割が現状維持、1割が回復というデータがあります。半分の確率で認知症を発症してしまうのかと落胆せず、認知症を防げる可能性が半分もあると考えます。 どうやってMCIをチェックしたらいいかというと、「あたまの健康チェック」というMCIテストがあります。10分の電話によるテストで、「認知症ねっと」で購入できます。現在ですと、3000円(税抜)で購入が可能です。97%の正確性を実現しています。 遠距離介護の一番の問題は、ご両親や祖父母とは年末年始やお盆ぐらいしか会えないということです。上記テストとは別に、帰省という限られた時間内で出来る認知症チェック5つをご紹介します。