“伝統の一戦”が荒れに荒れ…長嶋監督が頭を丸めた「阪神巨人戦」の大乱闘劇
長嶋監督は「いやあ、暑いからねえ」
そして、悪夢のような3連戦を終えた巨人は8月4日、本拠地・東京ドームで広島戦を迎えたが、試合前、長嶋監督が学生時代以来約40年ぶりの坊主頭で球場入りし、周囲を驚かせた。 「いやあ、暑いからねえ」と口では軽くかわしたものの、ガルベス事件と2日後の乱闘劇で世間を騒がしたことへのケジメの意味で頭を丸めたのは明らかだった。 試合前のミーティングで、長嶋監督は「巨人ファンは(全国で)4000万人といわれるが、そのファンの皆さんが心配してくれている。坊主頭になることは、私にとって大したことじゃない。ただ、批判をきっちり受け止めるということで形に表した。今日を再起への第1歩にしようじゃないか」と呼びかけ、ナインを鼓舞した。 同日の広島戦は、「ああいう試合のあとやから、何とかいい試合を見せなあかんと思うとったし、球場に来て監督の頭を見て、もっと気合が入ったわ」という清原の15号2ランなどで6対5の勝利。指揮官が身をもって示した新たな第1歩を白星で飾っている。 久保田龍雄(くぼた・たつお) 1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。 デイリー新潮編集部
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