窪田正孝が考える“人間にとって一番価値のあるもの”とは? 「少しでも楽しめるものに」
「視聴者の方の貴重な時間の一部をいただいている」
ーーご自身の人生を振り返ってみて、「あのときが青春だったな」と思うのはいつ頃ですか? 窪田:部活をやっていたときですかね。中学はバスケ部、高校はダンス部だったんですけど、当時は部活をやるためだけに学校に行っていたと言っても過言ではないです(笑)。昼休みになったら練習して、できなかったことを放課後に復習して……無我夢中でやっていたのは振り返ると青春だなって思います。 ーー本作でも科学部の皆さんが一つの目標に向かって進んでいきますが、その中には20歳以上のメンバーもたくさんいるので 、いくつになっても青春は送れるんだなって視聴者の方も励みになると感じました。 窪田:その人の意識次第だなと思いますね。僕は結局人間にとって一番価値があるものって“時間”だと思うんです。だから、つまらないと思っている時間がもったいないし、その人が楽しいと思っていれば、何歳であっても最良の時間で青春なのかなって。この作品を届ける上でも、視聴者の方の貴重な時間の一部をいただいているということを意識して、その時間を少しでも楽しめるものにしたいなと思っています。 ーー生徒役の伊東蒼さん、小林虎之介さんと登壇された記者会見からは、撮影も楽しかったんだろうなという空気が伝わってきました。 窪田:みんな個性的でバランスが取れているかといえば、取れていないんですよ(笑)。虎之介は良い意味でとぼけている部分があるし、ガウさんは陽気でいつも一緒にふざけてくれます。蒼ちゃんは影のエースだと思っていて、彼女が参加してからは科学部の質が変わったなと思いました。イッセー(尾形)さんは芝居の幅が広いので、他の人もそうですが、本番ですごく遊んでくるんです。そういう遊びの感覚ってたとえ仕事でも大事だと思いますし、あるのとないのとでは雲泥の差なんですよね。一方で、みんな本気だからこそ、ディスカッションを重ねながら、まさにリアルな青春を体験させてもらっているなと思います。 ーー窪田さんは辰年で、今年は年男でしたね。『Cloud クラウド』『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』と出演作が続いています。まだかなり早いかもしれないですが、どんな1年でしたか? 窪田:仕事も私生活もめまぐるしい1年でした。自分と向き合う時間を積極的につくるようにしたんですけど、結果的に仕事に対する価値観も変わったり、一つしかない体に対してもっとフォーカスしたい気持ちが高まったり、身辺整理の年だったなと思います。 ーーそんな中で8月6日に窪田さんは36歳のお誕生日を迎えられましたが、何か目標を立てられましたか? 窪田:目標を立てるとそこばかりに目を向けてしまって、それ以外の面白いことが見えなくなるので立てないようにしてます。今を楽しく生きる方が大事かなって。先にやりたいことがあるなら、そのために今を頑張るべきだし、今の自分がどうしたいかっていう気持ちを無視しないようにしたいなと思っています。
苫とり子