高橋由伸 大谷翔平の“ホームラン王”獲得に衝撃「尋常じゃない領域にいる選手なんだろうなと感じます」
スポーツジャーナリスト・中西哲生と横山ルリカがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」。番組内コーナー「XEBIO presents The Leaders」では、12月15日、22日、29日(金)の3週にわたり、読売ジャイアンツ(巨人軍)球団特別顧問、野球解説者の高橋由伸さんをゲストにお迎えしてお届け! ここでは、10年総額7億ドル(約1,015億円)でロサンゼルス・ドジャースへの入団が決まった大谷翔平選手の今シーズンの活躍ぶりについて伺った、12月15日(金)放送の模様を紹介します。
高橋由伸さんは、1975年生まれの千葉県出身。桐蔭学園高校時代に2度の甲子園出場を経験し、慶應義塾大学に進学。東京六大学野球では、今も破られていない通算23本の本塁打をはじめ、数々の記録を打ち立てると、1997年ドラフト1位逆指名で読売ジャイアンツ入り。新人にして打率3割をマークし、チームの中心として活躍します。その後、2015年に現役を引退し、ジャイアンツの監督に就任。現在はジャイアンツの球団特別顧問、そして、野球解説者として活動されています。
◆「WBC」&大谷翔平の活躍を振り返る
中西:2023年の野球界を振り返っていきたいんですけども、今年はかなりいろいろありましたね! 高橋:そうですね。まずはなんといっても「WBC(2023 WORLD BASEBALL CLASSIC)」ですよね。 中西:めちゃくちゃ盛り上がりましたよね! 高橋:ドラマみたいに始まり、ドラマのように終わったような……日本野球界にとっては(優勝という)最高の形で終われたっていうのはあると思いますよね。 中西:サッカー界もみんな応援していましたよ。 高橋:昨年の「W杯カタール大会」での活躍があった流れで、また日本人のスポーツ選手が、世界でだんだんと活躍するようになってきたというか、勝てるようになってきたっていうのはあると思いますね。 中西:確かに。まず聞きたいのは、やっぱり大谷選手ですかね。 高橋:それこそ、東京ドームの静寂のなかで放った1球から始まり、最後は、(ロサンゼルス・エンゼルスでチームメイトだった)大谷選手と(マイク)トラウトとの対決で終わるっていう。全体を通しても素晴らしかったんですけど、大谷選手のすごさをさらに際立たせた大会になったなと思いますよね。 そもそも“二刀流なんて難しいだろう”って言われていたところから、二刀流というものを確立させて、さらに今シーズンに関しては、まさか日本人選手が(メジャーリーグで)ホームラン王を取るなんて(笑)。 中西:高橋さんでも“日本人がメジャーリーグでホームラン王を取るのは難しい”と思っていましたか? 高橋:思っていました。僕自身、松井秀喜さんとジャイアンツで一緒にやってきて、その日本でナンバーワンのパワーヒッターがですよ、アメリカに行ったら「パワー」という部分では、なかなか勝負ができていなかったというか……。 中西:ワールドシリーズのすごく大事な場面でホームランを打ったりとか、貴重なホームランを何本も打っていましたよね。 高橋:もちろん(メジャーリーグでも)大活躍されましたが、“ホームラン王争い”っていう点では、なかなか取れるイメージがなかったので。 中西:それぐらい、たくさんホームランを打つのは難しいということですもんね。 高橋:はい。そのなかで“パワーの象徴”ともいえるタイトルを(日本人が)取る時代が来たんだなって。 中西:それは我々も驚きですし、僕も毎朝のニュースで、まず大谷選手がホームランを打ったかどうかを確認していましたから(笑)。大谷選手のバッティングは、高橋さんから見ていかがですか? 高橋:やっぱり“パワー”ですよね。WBCのときに、ジャイアンツの岡本(和真選手)が(大谷選手と)話をしたそうで、そのときに「やっぱり“パワー”が大事」だと言われたそうなんです。 メジャーリーグのレベルで戦っている人たちは、技術は当然持っているので、そのうえで、さらに進化するためには、やっぱりパワーが大事なんだと。 そのなかでも、打球速度であったり、飛距離っていう部分でも、メジャーリーグのなかでトップクラスじゃないですか。 中西:“ただのホームラン”じゃないというか。 高橋:そうなんです。その部分というのが、我々から考えると、ちょっと尋常ではない領域にいる選手なんだろうなと感じますね。