藤ヶ谷太輔&奈緒「傲慢と善良」撮影現場レポート 重要シーン&映画オリジナルのクライマックスの裏側を公開
藤ヶ谷太輔と奈緒の主演で、辻村深月氏のベストセラー小説を映画化する「傲慢と善良」の撮影現場レポートが公開された。 【フォトギャラリー】「傲慢と善良」メイキング写真<全5枚> 2019年に単行本が発売された原作小説は、現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が話題を呼び、第7回ブクログ大賞を受賞。20代、30代を中心に多くの共感を集め、累計発行部数100万部を突破し、2023年最も売れた小説となった(※ジュンク堂書店池袋本店調べ 23年売上、文芸/文庫新書ジャンル)。 物語の中心となるのは、マッチングアプリで出会った西澤架と坂庭真実。しかし、ふたりが婚約した直後、真実は突然失踪する。架が彼女を探すなかで、知りたくなかった過去と嘘が明らかになっていく。原作を「人生で一番好きな小説」と語る藤ヶ谷が架役、「辻村作品に出演するのが夢だった」という奈緒が真実役を等身大で演じる。 2023年11月に都内でクランクインし、表参道、神宮前、中目黒、青山、丸の内を中心に、マッチングアプリで始まる恋の出会いのリアルな場所がロケ地として設定された。かねて映画化を熱望し、念願叶っての架役を射止めた藤ヶ谷は、撮影現場で積極的にコミュニケーションをとるなど気合十分。 この日の撮影は、婚約後、真実が失踪する直前の朝のシーン。都会的でスタイリッシュな架の部屋は、隅々まで趣向が凝らされている。萩原監督は「家もオフィスも自分の好きなようにリノベーション、乗っているゲレンデをカスタムしているところからも架の傲慢さを感じてもらえると思います」と語った。 段取りが開始されると、奈緒がセリフを言うタイミングを萩原監督に提案するなど、細かい調整が行われた。「結婚式、ガーデンウェディングってどうかな?」と提案する真実に対し、「俺はなんでもいいよ」と答える架。同棲するカップルの何気ない日常に見えて、お互いの傲慢さも垣間見える重要なシーンとなっている。ここで真実が水をあげているゼラニウムは彼女の実家にもあり、彼女が母親の影響から抜け出せていないことを表現している。白いゼラニウムは「偽り、優柔不断、あなたの愛を信じない」という花言葉を持つ。 物語の後半パートは佐賀で撮影が行われた。撮影の合間には萩原監督を交え、藤ヶ谷と奈緒が「架だったら、真実だったらこうするかな?」と役について話し込む姿を幾度となく目撃。そうした対話を繰り返す中で、架と真実がすべてをさらけだす感動のクライマックスシーンが生まれた。架と真実の思いが溢れ出す、原作にはない映画オリジナルのクライマックスは、夕焼けの風景も相まって胸を打つ感動的なシーンに仕上がった。 萩原監督は、「撮りながら、傲慢と善良とは一体何だろうと考え続けていました。きっとそれは、表裏一体なんですよね。今の社会で生きづらさを抱えている人たちが、自分の中のネガティブな部分を受け入れて、完璧ではない自分を愛して前に進めるような映画になっていたらいいなと思っています」と作品に込めた思いを明かした。 「傲慢と善良」は、9月27日より全国公開。