大番狂わせでXのトレンドワード入り!同志社香里・北野、足をつりながらも大阪学院大高を抑え込む!【24年夏・大阪大会】
<第106回全国高校野球選手権大阪大会:同志社香里 2-1 大阪学院大高>◇17日◇2回戦◇大阪シティ信用金庫スタジアム 【トーナメント表】大阪大会 17日までの結果 同志社香里が春の府大会を制した大阪学院大高を2対1で下した。この日が18歳の誕生日だった最速144キロ右腕の北野 勇斗(3年)が147球を投げて、5安打5四死球8奪三振で1失点完投。「メチャクチャ最高な誕生日です」と笑顔を見せた。 強豪相手の勝利に同志社香里ナインは大喜び。球場を出ると、「トレンド入りしてるかな?」とスマートフォンの画面を覗く選手の姿も見られた。実際にX(旧Twitter)では「同志社香里」と「大阪学院大高」がトレンド入り。注目度の高さを象徴する出来事だった。 傍から見れば、大金星に思えるかもしれない。しかし、大黒徹雄監督は「僕らは真剣に勝てると思っていました」と自信を持って、この試合に挑んでいた。 「初戦の硬さは知っています。彼らは初戦で春のチャンピオンで追われる身であるし、自分自身にプレッシャーがかかるので、同志社香里に負けられない。そこを突いていければ、うちは勝てると思っていました」 シード校の大阪学院大高が初戦だったのに対して同志社香里はこれが2戦目。実際に大阪学院大高の辻盛英一監督は「『やらないといけない』というメンタルになった瞬間に守りに入ったというのはあったと思います」と語っており、心理面でも同志社香里が優位に立っていた。 守りでは北野が「引いたら負けだと思っていたので、思い切り勝負する気持ちでいきました」と強気に内角を突く投球で大阪学院大高打線を抑え込む。「彼の配球は僕が同志社香里で教えてきた中でナンバーワンだと思います」と大黒監督が評価する捕手の福嶋 樹(2年)のリードも冴え渡った。 さらに守備では春季大会の映像から大阪学院大高打線の打球傾向を研究。良い当たりが野手の正面を突くこともあり、その成果は発揮された。 打線は4安打に抑えられたが、5回裏に一死一、二塁から8番・中村 将梧(2年)が左中間を破る2点適時二塁打で先制。これが決勝点となった。 「彼らの力以上のものが出てくれた」と試合を振り返った大黒監督。その代償は大きく、7回表の守備ではオリックスの谷口悦司スカウトを父に持ち、3回裏にチーム初安打を放った左翼手の谷口 諒(2年)が足を攣って交代を余儀なくされた。 力投を見せた北野も6回表の投球練習中に足が攣り、その裏には出塁した際に臨時代走を出されて一旦、ベンチに下がった。普段は足が攣ることはないそうで、それだけ高い集中力とパフォーマンスを発揮していた証拠だったとも言えるだろう。 満身創痍の北野は8回表に3連打を浴びて1点を返されたが、そこから踏ん張りを見せてリードを守り切った。大阪学院大高を抑え込んだ北野は同志社大で野球を続ける予定をしており、大学での活躍も楽しみだ。 価値のある1勝を掴んだ同志社香里。3回戦の高槻北戦は連戦となるが、勢いに乗ってこのまま突き進むか。