ヤクルト・高橋奎二の矜持!つないだ燕今季最長タイ4連勝 「いつも『高橋が流れを止める』と言われるので…」7回1失点10Kで2カ月ぶり2勝
ヤクルトは6日、「日本生命セ・パ交流戦」の西武3回戦(神宮)に3―1で勝ち、今季最長に並ぶ4連勝を飾った。高橋奎二投手(27)が7回2安打1失点、10奪三振の力投で自身約2カ月ぶりの白星となる2勝目を挙げた。先発投手陣が奮闘し、4月29日―5月1日の巨人戦以来となる同一カード3連戦3連勝。リーグ最下位からの逆襲へ勢いに乗った。 最後までひるまず、相手を圧倒した。高橋奎が今季最多10個の奪三振ショー。魂のこもった力投で、2日の楽天戦での石川の23年連続勝利から始まった連勝のバトンをつなぎ「いつも『高橋が流れを止める』とよく言われるので、きょうは何とか流れを止めず、いい流れをつなげられたのでよかった」とお立ち台で自虐交じりにはにかんだ。 課題の一回を三者凡退で立ち上がると「8割の力」を意識し、ストライク先行で六回まで1安打無四球で無失点。三、五回は3者連続三振に仕留めるなど、圧巻の投球を展開した。 最大のピンチは2―0の七回。先頭山野辺の二塁打から連続四球で無死満塁とされた。「もう最後だと思って、何とかゼロでという気持ちでギアを上げた」。岸をボール球なしで空振り三振。蛭間の遊ゴロ併殺崩れの間に1点は失ったが、最後は代打佐藤龍を高めの148キロの直球で空振り三振に仕留め、左拳を握って雄たけびを上げた。 今季は開幕ローテーションに入るも、制球が乱れて自滅するなど苦しい投球が続いた。高津監督も期待ゆえに何度も苦言を呈し、4月からは約1カ月の2軍再調整を味わった。新たに挑戦した登板前日のブルペン入りも、再び2日前に戻すなど試行錯誤を繰り返した。 1軍を離れる歯がゆさ。「本当に悔しくて、あまり見れなかった試合もあった」と振り返る。5月14日の誕生日も2軍で迎えた。失意の中で届いたのは、同学年の大西が松山遠征中のロッカールームで1軍投手陣による祝福のメッセージを撮り集めた動画。「すごくうれしかったし、しっかりやりたいなって」と左腕は再び前を向いた。 打席でも4登板連続で安打を放ち、復活を印象付ける快投で4月18日の中日戦以来の2勝目を挙げた。「きょうは本当にいい投球だった。いつも継続できないので、もう一回しっかり調整してきょうみたいな投球ができるように」。もう二度と、ポジションは明け渡さない。(浜浦日向)