瀧内公美が一人芝居に挑んだ「奇麗な、悪」2月公開、中村文則の小説を奥山和由が映画化
瀧内公美が一人芝居に挑んだ映画「奇麗な、悪」が、2025年2月21日より東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開されることが決定。あわせて瀧内、監督の奥山和由、原作者・中村文則のコメントと、ポスタービジュアルが到着した。 【画像】2025年2月公開の映画「奇麗な、悪」で主演を務めた瀧内公美 中村による「銃」に併録された小説「火」をもとにした本作。劇中では瀧内演じる主人公が人の道を踏み外した自身の悲惨な半生を語り続ける。瀧内は「この女性はこれだけ喋り続けているけれど、このひとが“言わないこと”、“言えないこと”ってなんだろう?を探し続けることとなりました。奥山監督をはじめ、スタッフの皆さんと大勝負に出たこの作品をどう受け取ってくださるのか楽しみにしています」とつづった。ビジュアルには、椅子に腰掛けた瀧内がどこかを見つめる姿が切り取られている。 「RAMPO」などで知られる奥山が脚本も担当したほか、撮影監督を大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の戸田義久、美術を周防正行の監督作などに参加してきた部谷京子、録音を「ミッドナイトスワン」の伊藤裕規、音響効果を「PERFECT DAYS」の大塚智子が手がけた。またギリシャのミハイル ギニス アオヤマが衣装、台湾の陳詩婷が編集、中国の董氷がヘアメイクで参加している。奥山は「我が映画人生の最後にこのような我儘を許してくれた全ての方々に心底感謝している」と述べ、中村は「あらゆる文化が平均化していく中で、このような作品が日本映画にあることが、嬉しい」と語った。 映画の中で使用された大きな絵画は、後藤又兵衛の「真実」という作品。また全編を彩るピエロの口笛は、口笛演奏家の加藤万里奈が担当した。配給はNAKACHIKA PICTURESが担う。 ■ 中村文則 コメント 映画は、小説よりもどこか「前」を向いている印象がある。 瀧内さんによる、奥に芯の見える主人公像もそうだった。 この映画はこのように完成したことで、「火」の主人公を救ったのかもしれない。 あらゆる文化が平均化していく中で、このような作品が日本映画にあることが、嬉しい。 ■ 瀧内公美 コメント 2022年6月28日、とっても不思議な映画の企画が届きました。 ひとりの女性が延々と喋り続けている。果たしてこれは映画として成立するのか? 突飛な企画過ぎるけど、ひとり芝居の経験がない私は挑戦してみたいと思いました。 そしてこの女性はこれだけ喋り続けているけれど、このひとが“言わないこと”、“言えないこと”ってなんだろう?を探し続けることとなりました。奥山監督をはじめ、スタッフの皆さんと大勝負に出たこの作品をどう受け取ってくださるのか楽しみにしています。 ■ 奥山和由 コメント 20世紀を代表する映画監督、イングマール・ベルイマンは晩年「A SPIRITUAL MATTER」という女優の一人語りの脚本を仕上げ、映画化を熱望した。にも関わらず、あまりにも突飛なコンセプト故に出資者が見つからず実現出来なかった。 自分の才能はかの巨匠の足元にも遥かに及ばないが、最後にそのような映画を作りたいと思ったベルイマンの想いは相似形のものとして痛いほど理解できる。 幸運なことに自分は中村文則の魅惑的言葉と瀧内公美の演技力に恵まれ、実現出来た。さらに撮影監督の戸田義久さん、口笛奏者の加藤万里奈さん始め才能豊かなスタッフ方々が集まってくれた。本当に幸せな映画だと思う。 そして我が映画人生の最後にこのような我儘を許してくれた全ての方々に心底感謝している。 (c)2024 チームオクヤマ