白鷗大学を7年ぶりのインカレ制覇に導いた樋口鈴乃「最後は自分が絶対に勝負を決めようという気持ちでした」
「大学チャンピオンになったからこそENEOSさんと対戦できる資格がある」
4年生のキャプテン、樋口は21得点4アシスト4リバウンドを記録と決勝で最も大きなインパクトを与えた。特に後半に東京医療の激しい猛追に遭いながらも常にリードをキープできていたのは、ここ一番で樋口がプルアップシュートやドライブからのレイアップで得点を重ねたからだ。 優勝の立役者は、このように喜びを語る。「この瞬間を4年間、ずっと追いかけてきたのでうれしいの一言です。1年間やってきたことを40分間、徹底してできたことが今日の勝因だったと思います」 今年の白鷗大は、大学界最強センターと言える3年生のアマカに加え、4年生では先日にアーリーエントリーでトヨタ自動車アンテロープス加入が発表された三浦舞華と田中平和、富士通レッドウェーブ加入の桐原麻尋などタレントが揃っていた。彼女たちと同じく、佐藤ヘッドコーチは樋口に絶大な信頼を寄せる。 「『どこで攻めないといけない、どこをきちんと守らないといけない』という、僕が意図することを樋口は分かってくれています。そしてキャプテンシーがすごくあり、この子だったら心中できるという選手なので全面的に信頼を置いています」 そして、樋口も「まず、自分が行って突破口を開こうという気持ちでした」とチームを牽引した。そこには、次のような強い思いがあった。「1年生の時は全く試合に出られず、2年生、3年生は少ししか試合に出られなかったです。その悔しさを試合で晴らしたい気持ちはチームの中でも強い方だと思います。最後は自分が絶対に勝負を決めようという気持ちでした」 まさに有言実行した樋口だが、彼女の学生キャリアはまだ終わりではない。水曜日には皇后杯のベスト8でWリーグの女王・ENEOSサンフラワーズと対戦する。この一戦が控えていることも、モチベーションを高める一つとなった。 「『ここで負けて皇后杯に出るのはなんか違うよね』と、みんなで話していました。大学チャンピオンになったからこそENEOSさんと対戦できる資格がある。大学の代表としてしっかり戦いたいです」 経験、タレント力ともにENEOSが圧倒的に有利であることは間違いない。ただ、今の白鷗大には、長年のライバルを下したこれ以上ない勢いがある。樋口やチームには決勝で見せたエナジー全開のアグレッシブなプレーを、同じ代々木第二体育館で引き続き見せてもらいたい。
鈴木栄一