全国で初の摘発事案も発生…海外からの資金流入で隆盛する「オンラインカジノ」がはらむ危険性
日経平均株価がバブル期を超え、史上最高値を更新した日本経済。未曾有の円安を背景に、海外からの需要が日本株に集中しているが、注目を集めているものは他にもある。実は日本のアングラ界隈にも海外資本が多く流入しているのだ。 【画像あり】「かわいい」と評判の26歳の特殊詐欺かけ子「共犯者と関係し妊娠」妖艶な素顔写真 その最たる例が「オンラインカジノ」である。あたかも合法と思わせるような広告やホームページ、店舗を使ったオンラインカジノが多く見かけられるが、日本国内で遊ぶ場合、どんな方法であれ入金や換金に相当する行為は完全に違法となる。警察当局による摘発も相次いでおり、最近もオンラインカジノを違法に運営したとして、京都府警などは2月19日までに、賭博開帳図利の疑いで20~40代の男女7人を逮捕した。 「意外かもしれませんが、この事件はオンラインカジノの運営側に対して行われた全国初の摘発となりました。逮捕されたのは千葉県の会社員でアメリカ国籍のランダル・アーロン・アシャー容疑者(36)と日本人の男女6人です。彼らは去年3月から12月にかけて、海外のサーバーで日本人向けのオンラインカジノサイトを運営。利用客に賭け麻雀をさせた疑惑が持たれています。恐ろしいことに、彼らは客に対して『ライセンスを取得しており、違法性はない』と説明していたといいます。これまでに客から約23億円の入金が確認されているそうです」(全国紙社会部記者) オンラインカジノを利用した犯罪が後を絶たない背景に、一般の利用者の認知度の低さがあげられる。 オンラインカジノの違法性から目を逸らさせるために、運営側はさまざまな方法で、利用者の目をくらませている。先の事例にあった「ライセンス取得を謳う」のも常套手段だ。他には以下のようなものがある。 ・インフルエンサーを活用し、オンラインカジノを行うことへの抵抗をなくす ・有名ポーカープレーヤーから客を斡旋してもらう ・国内大型ポーカー大会やアミューズポーカー店など合法の場で勧誘活動を行う インフルエンサーなどのきらびやかな生活に憧れがちな若者や、ネットリテラシーが高くない高齢層などは、表面的な情報に騙されやすい。そのため有名人が告知したり、合法アミューズメント施設で客に紛れて勧誘を行うなどすれば、簡単に騙されてしまうことがあるのだ。 実際にいま、アングラカジノ界隈で大きな注目を集めていることがある。昨年、ラスベガスで行われたリアルポーカーの世界大会を優勝したあるプレーヤーが、オンラインカジノへ客を斡旋していた疑惑が浮上しているのだ。客をプレーさせることで得られる利益の一部を受領していたとされ、常習賭博の疑いなどが持たれている。逮捕にこそ至っていないが、すでに被害者から刑事告訴され、今年1月末に浦和署(埼玉)に受理されている。そのため、今後の判例として動向に注目する関係者は多い。他にも訴訟を起こされている事案は多々あり、落とし穴は本当に身近なところにたくさんある。 円安による海外事業者の参入で、筆者の体感では、オンラインカジノ利用者は10倍まで増えている。違法でありながらも、その認知が進まないまま今後もオンラインカジノは流行していくと思われる。いつでも誰でもスマホ一つで、ゲームアプリ感覚でできるという手軽さや、有名人やインフルエンサーもやっているというステータス感もこの流行を後押しするだろう。 オンラインカジノ以外にも薬物や詐欺などの違法行為にも、若者を騙し、あたかも合法であるかのように装う手法がとられ始めていている。もちろんこうしたアングラ界隈にも海外から資本が入ってきていると考えられる。 悪質なことに、これらに対する具体的な対策はないのが実情だ。何がダメで何が良いのか自分のボーダーを正しく持ってほしく思う。怪しい話には少し立ち止まってみないと……知らない間に犯罪に巻き込まれてしまう世の中になっているのだ。 取材・文:漆原貴之 アングラ系の取材を得意とする。ドラマ『ブラッククロウズ』(フジテレビ系)及び同名タイトルの漫画作品の原作原案と監修等を行う。X(旧ツイッター)→@shibuyoru_tm。現在は『隠れ家BARウィン青山』の経営も行う。
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