『CONTROL』を手がけたRemedy Entertainment、2本の新作が開発費を回収するために必要な販売本数を公表
『CONTROL』を手がけたRemedy Entertainment、2本の新作が開発費を回収するために必要な販売本数を公表
Remedy Entertainmentが、あまり表に出ないビデオゲーム開発事業における見識を明らかにした。そのなかで、新作ゲームが収支を合わせるために必要となる具体的な販売本数も判明した。 「Control 2」画像・動画ギャラリー ビデオゲーム業界は通常、商業の実態に関する情報を明かしておらず、開発やマーケティングの予算、売上予測に関してもめったに表に出さない。しかし今回、『Alan Wake 2』などで知られるRemedyが投資に焦点を当てた説明会でそうした情報を明らかにし、発売予定の『Control 2』およびPvEシューター『FBC: Firebreak』について説明した。 まず、ここでは『Control 2』と『FBC: Firebreak』が投資収益率を100%にするために必要な売り上げについて述べられており、それは3~5年後に達成されることが見込まれていると前置きしておく。ゲームの予算は価格帯と予想される売り上げを考慮して設定されており、「現実的」なものになっているという。 では、『CONTROL』の世界を舞台にした3人協力型マルチプレイゲーム『FBC: Firebreak』から見ていこう(発売日からXbox Game PassとPS Plusエクストラで配信されるため、マイクロソフトとソニーから追加の収益を確保できることに留意しておいてほしい)。 開発費は3000万ユーロ(約49億円)で、中価格帯が設定される予定だ。100%の投資収益率を達成するには、発売期間中に300万本を販売する必要がある。 そして、Remedyが自社で販売する(つまりより多くの収益を確保できる)フルプライスのAAAゲーム『Control 2』の開発費は、『FBC: Firebreak』よりも高い5000万ユーロ(約82億円)。100%の投資収益率を達成するには、300~400万本を販売する必要がある。ちなみに、『Control 2』はアクションRPGになることも明らかになった。 これは現実的なのだろうか? Remedyによれば、『CONTROL』は450万本超を販売したため、『Control 2』はそれと同等かそれ以上になることを期待しているという。Remedyの自信につながっているのは、『CONTROL』のプレイヤー数が各サブスクリプションサービスの支えもあって1900万人に達したという事実だろう。そのため、続編に関心がある人はかなりの数になるはずだ。 だが、評価は一番最近の作品次第で決まる。Remedyの場合は『Alan Wake 2』だ。ホラーアドベンチャーの同作の販売本数は180万本で、まだ利益を出すには至っていない(もう少しで利益が出そうではあるが)。 AAAゲーム市場は特に厳しい状況を迎えている。何千人もの開発者が職を失い、閉鎖されるスタジオの数は増えるばかりだ。そうしたなかでもRemedyは独立を維持してきたが、自社販売推進の一環として、9月にテンセントから1500万ユーロ(約25億円)の融資を受けている。 一方で、Remedyは「Max Payne」シリーズ1作目と2作目のリメイクをロックスター・ゲームス向けに開発中だ。
Wesley Yin-Poole