イスラエル軍、ヒズボラとの全面的な戦闘への備え強化
(ブルームバーグ): イスラエルは、親イラン民兵組織ヒズボラとの全面的な軍事衝突の可能性に対する備えを強化している。イランやその代理勢力との対立が壊滅的な新局面を迎えるリスクが高まっている。
イスラエル軍は、昨年10月にイスラム組織ハマスに対する作戦を開始して以来、レバノンを拠点とするヒズボラとも国境を越え交戦しており、必要に応じて攻撃を強化させることが可能な措置を講じている。イスラエル国防軍によれば、同国北部での陸海空軍の追加演習も含まれる。
国防軍は声明で、地元の指導者らは「戦闘継続への準備を加速させるためのプロセスについて」説明を受けているとし、軍部隊を前線へ迅速かつ幅広く送り込むことができるよう保管施設を追加で設置していることを明らかにした。
国防軍は24日、レバノン南部でヒズボラに関連する拠点約40カ所を攻撃したと明らかにした。その前日にはヒズボラがイスラエルに対し攻撃を仕掛けた。
イスラエルがヒズボラとの戦闘をエスカレートさせることは危険を伴う。ヒズボラは中東で最も強力な組織とみられており、イスラエルの高官1人によると約15万発のミサイルやロケット弾を保有している。その一部はイスラエルほぼ全域を射程に収めているという。
北部で全面的な戦闘が勃発した場合、イスラエルは1日当たり最大5000発のミサイルがレバノンから発射されるとの基本シナリオを想定している。これ以外にもイエメンやイラク、シリアでの親イラン勢力からの数百発の攻撃も想定している。センシティブな情報を話しているとして、同イスラエル高官が匿名を条件に明らかにした。
原題:Israel Prepares Forces as Conflict With Hezbollah Intensifies
(抜粋)
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Galit Altstein