バングラデシュ、印アダニ・パワーからの電力購入半減 未払い金も
Krishna N. Das [ダッカ 2日 ロイター] - バングラデシュは隣国インドの新興財閥アダニ・グループ傘下の電力会社アダニ・パワーからの電力購入を半分に減らした。この冬の電力需要が少ないため。バングラデシュの政府高官が2日、ロイターに語った。 アダニ・パワーはバングラデシュによる電力料金の支払いが遅れているとして、10月31日に同国への電力供給を半分にしていた。バングラデシュ政府高官はバングラデシュ側がその後、アダニ・パワーに対して期日を過ぎた料金は支払いを継続するものの、当面の供給は半分にするように伝えたと説明した。 バングラデシュは外貨不足に苦しんでいる。またアダニ・グループはインド政府への贈収賄などに関与したとしてトップが米当局から起訴されている。 バングラデシュはハシナ前首相時代の2017年にアダニと期間25年の電力供給契約を締結。アダニはインド東部ジャルカンド州の発電所2基(1基当たりの発電能力は約800メガワット)からバングラデシュに電力を供給している。 ロイターが確認した書類によると、同発電所の今年11月の稼働率は41.82%と今年に入って最低となり、11月1日から1基が稼働を停止している。 バングラデシュ電力開発委員会(BPDB)の関係者2人によると、バングラデシュは昨冬にアダニから毎月約1000メガワットの電力を購入していた。アダニ側から販売を元に戻す時期を尋ねられたが、明確な回答はしなかったという。 アダニ・パワーの広報担当者は、バングラデシュへの電力供給を継続しているが、未払い料金は大きな懸念材料で、発電所の操業が維持できないと説明。「BPDB当局者やバングラデシュ政府高官と常に連絡を取り合っており、彼らは未払い分をすぐに支払うと確約している」と述べた。