<衆院選2024>東京1区 都内最多9人の混戦に…存在感を示せるか?差別化は?
10月27日に投開票を迎える衆議院選挙について、TOKYO MXは東京都内の注目選挙区の選挙戦を連日お伝えしてきました。今回は千代田区と新宿区にまたがる「東京1区」です。前職2人・新人7人という都内の選挙区で最も多い9人が立候補していて、混戦の様相を見せています。 東京1区には届け出順に諸派の新人・新藤伸夫さん(75)、日本維新の会の新人・音喜多駿さん(41)、自民党の前職・山田美樹さん(50)、無所属の新人・新垣宏さん(80)、共産党の新人・中野顕さん(60)、立憲民主党の前職・海江田万里さん(75)、参政党の新人・櫻井祥子さん(40)、無所属の新人・佐藤沙織里さん(35)、みんなでつくる党の新人・高木寛史さん(40)の9人が立候補しています。 自民党・前衆院議員の山田美樹さんは政治資金収支報告書に76万円の不記載が発覚し、比例区での重複立候補は認められませんでした。山田さんは「自民党は本当に大きな根深い問題を抱える組織だが、自らさまざまな思いを経験した者として、何としても政治改革の最前線に立ちたい」といいます。山田さんは与党の連立政権こそが地域の課題解決につながると訴え、再選を目指します。選挙戦では「自民党候補の一人としては国政与党と都の連携でなければ地域の課題は解決しないということを中心に訴えたい」と意気込みます。 立憲民主党の前職・海江田万里さんは経産相を務めた経験もあるベテランで、前回の選挙では山田さんに敗れて比例での復活でした。海江田さんは「タワーのように並べて上からシャンパンを注ぐ。そうするといつの間にか一番下のグラスにもシャンパンが注がれるという政策がアベノミクスの政策だった。しかし下のグラスはいつまでたっても空いたまま満たされない状況」と自民党政治を指摘した上で、経済を動かすのは中間層だとして、低所得世帯の所得向上の実現を掲げます。海江田さんは「分厚い中間層の復活とはどういうことなのか。それによって社会がどう変わるのかということを訴えていきたい」と話しています。 日本維新の会・新人の音喜多俊さんは党の政調会長を務めていて、参院からくら替えして衆院選に挑戦しています。「裏金政治をおしまいにして、脱税議員・裏金議員は政界から一回退場してもらう。新しいメンバーできちんと再発防止を徹底した厳しいルールを作る」と主張します。規制改革で経済成長を促し、現役世代の生活を支えると訴え、存在感を示したい考えです。音喜多さんは「政治とカネの問題は当たり前として、それ以外何ができるのかというところで他の野党との違いをつけたい。働く現役世代に投資して、社会全体を元気にする、成長させる」として選挙戦を戦います。 共産党・新人の中野顕さんはこれまでに党の地区委員長を務めていて、消費税の引き下げによる物価高対策などを訴えています。「特定の企業からカネをもらって特定の企業のための政治をやる。こんなことをやっているから30年間、日本経済は成長しないのではないか」と批判し、企業献金の禁止を強調していて「裏金議員を一掃する」とアピールしています。中野さんは「(われわれは以前の選挙でも)企業団体献金禁止を訴えてきたが、抜け穴だらけだったのが今回の事件を招いている。抜け穴のない、完全禁止までいくよう頑張りたい」と力を込めます。 参政党の新人・櫻井祥子さんはIT企業の役員を務めていて、積極財政と減税による経済成長を主張します。櫻井さんは「税金が上がるか下がるかの選挙。このまま増税路線を続けるのか、それとも減税にかじを切るのか」と訴え「既存ではない、他の選択肢が出てきたことに希望を持ってもらいたい」とアピールしています。 みんなでつくる党の新人でアルバイトの高木寛史さんは生活者視点の政治を訴え、若者が参加したくなる政治づくりを目指すとしています。高木さんは「一般人である私が立候補することによって、本当に国民視点の政治ができるのではないかと思っている」として「『やまない雨はない』という言葉もあるが、それに耐えられない人たちが結構出てきている。目の前の困っている人に対する政策を実現していきたい」としています。 諸派で新人の新藤伸夫さんは公約としてベーシックインカムを月額31万円支給すると掲げながら「選挙のエンタメ化を図る」とアピールしています。新藤さんは「私たちは日本が好きです。日本は安定しています。それから東京、秋葉原も好きです」「いろいろな人が出てくる。選挙はある程度エンターテインメントだと思っている。有権者も楽しんでもらえるのでいいのではないか」と話しています。 無所属で新人の佐藤沙織里さんは公認会計士の経歴をアピールして小さな予算で豊かな国にすることを目指し、さらなる増税に反対しています。佐藤さんは「増税するしか日本の財源は確保できない法律になっている。これを変えなければいくら経済政策を打とうが日本の経済は停滞したまま」と訴え「お金を使わないと議員になれない、票が入らない今の議員のなり方を変えないといけない」と唱えています。 無所属で新人の新垣宏さんは沖縄県出身の元建設会社社長で「国会議員は地域ではなく、国の代表」だと訴え、沖縄の現状を伝えるため立候補しています。 ■衆院選・東京1区(千代田区・新宿区)立候補者(届け出順・敬称略) 新藤伸夫(75)諸派・新 音喜多駿(41)維新・新 山田美樹(50)自民・前 新垣宏(80)無所属・新 中野顕(60)共産・新 海江田万里(75)立民・前 櫻井祥子(40)参政・新 佐藤沙織里(35)無所属・新 高木寛史(40)諸派・新