道路管理者だけでは限界…相次ぐ「グレーチング」盗難被害への対策に苦慮する自治体【シンソウ 岡山】
岡山放送
独自取材でニュースを深堀りするコーナー「シンソウ」。2024年、道路の側溝に、取り付ける鉄製のふた、「グレーチング」の盗難被害が相次ぎました。現場では、どんな対策が進められているのでしょうか。 ■12月4日 赤磐市北佐古田 (赤磐市建設課 福圓章浩課長) 「こちらがグレーチングの盗難があった現場です」 (長尾龍希アナウンサー) 「もともと上にあったフタが無くなっていますね」 歩行者などの転落防止を目的に設置されているグレーチング。地域住民の安全のために必要なものですが、2024年10月から11月にかけて赤磐市や総社市などで盗難被害が相次ぎました。 県内の被害枚数と被害額です。ともに2022年から右肩上がりで増加し、2024年は2023年と比べて、被害枚数は約4.5倍、被害額は約6.7倍に。要因は鉄の高騰による転売目的とみられています。 自治体はどのような対策に乗り出しているのでしょうか。 2024年、最もグレーチングの被害枚数が多かった赤磐市の現場です。総延長約5キロの農道で10月、51枚盗まれているのが分かりました。 (長尾龍希アナウンサー) 「こちらが盗まれたものと同じ70センチ×90センチのグレーチングです。今から持ち上げてみます。かなり重いですが一人でも持ち上げられそうです」 周囲は、人通りが少なく、防犯カメラが設置されていないため複数人で犯行に及べば、比較的容易に持ち去ることができてしまいます。 (赤磐市建設課 福圓章浩課長) 「チェーンでグレーチングを固定するというハード対策もあるが、道路管理者だけでは限界があるので警察や地域の皆さんと協力して目を光らせていく必要がある」 現場では、一歩先に進んだ対策に乗り出しています。 (赤磐市建設課 福圓章浩課長) 「盗難があった箇所についてはコンクリートのふたで復旧している」 同じサイズのグレーチングの価格は2万円。対してこちらのコンクリートブロックは左右1組3000円。鉄の高騰を背景とした盗難被害防止策を講じているのです。 (赤磐市建設課 福圓章浩課長) 「歩いている人が落ちても危ない。職員はいろんな業務がある中で負担が増加している。怒りのようなものは感じますね」 グレーチングを盗んだ犯人は、まだ逮捕されておらず、警察が捜査を続けています。
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