男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール・ファイブ」 世界一目指し6月に国内リーグ立ち上げ
男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール・ファイブ(B5)」の国内リーグが今月発足する。日本代表は4月に韓国・ソウルで開催されたアジア・カップで初優勝。国内のレベルも上がっている中、さらなる競技普及や10月に香港で開催されるワールドカップ(W杯)に向けた代表強化への新たな一手となる。 【写真】アジア・カップで日本代表としてプレーする六角彩子さん B5は、バットやグローブなど高価な道具は不要でボール1つで試合ができる。新たに球場を建設する必要もないため、野球になじみの少ない欧州やアフリカでも普及がしやすく、現在、100カ国・地域で親しまれている。競技を統括する世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は、将来的な五輪採用を目指している。 国内では2019年に初めて講習会を開催。競技人口も徐々に増えており、今年2月の日本選手権には32チーム(1チーム8人)がエントリーした。日本代表は8カ国・地域が参加した4月13~16日の第2回アジア・カップで、台湾を決勝で下し初優勝。10月のW杯も優勝が目標だ。 選出された日本代表は、元プロ野球選手や大学生、会社員とバラエティーに富んだ顔ぶれ。代表としての活動はこれまで、大会の約3カ月前に集合して練習を行う形だった。「モチベーションの維持が難しい」との声もあり、リーグ発足へとつながった。 リーグ戦には7チームが参加。6~11月に各チーム月1回、2試合ずつを戦う日程で、年間42試合を予定している。6月15日に東京都町田市の桜美林大体育館で開幕。会場は他に埼玉県の加須市立志多見小の体育館を予定しており、一般観戦も可能となっている。 WBSCの公認インストラクターで、日本代表の六角彩子さんは、B5の魅力を「男女が一緒に、平等に試合ができるところ」と語る。六角さんは兄の影響で小学4年から野球を始め、14、16年の女子野球W杯に日本代表として出場した経験を持つ。「男性と女性では、パワーやスピード、取り上げられ方にも差がある」。そう感じていた矢先、出会ったのがB5だった。 B5は打球をフェアゾーンにワンバウンドさせるルールがあり、本塁打はない。「パワーで遠くに飛ばせばよいという競技ではない」と六角さん。塁間も野球の27・431メートルに対し、約半分の13メートルしかないため、「男女で大きな差が出づらい」という。