知られざる孤高の女性監督ニナ・メンケスの作品が日本劇場初公開 特集上映「ニナ・メンケスの世界」
アメリカ映画界の中でも唯一無二の存在として1980年代初頭から現在まで活動を続けてきた女性監督、ニナ・メンケスの3作品が日本の劇場では初公開される特集上映「ニナ・メンケスの世界」が開催される。この度、その予告映像が公開された。 自らプロデューサーや撮影を務める特異な作品づくりと、そこから生み出される研ぎ澄まされた映像世界によって、多様なアメリカ映画界の中でも唯一無二の存在として1980年代初頭から現在まで活動を続けてきた女性監督、ニナ・メンケス。近年、初期作品がレストアされるなど評価の機運が高まり、日本でも昨年国立映画アーカイブで開催された特集「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」にて代表作『クイーン・オブ・ダイヤモンド』が上映され好評を博した。 この度開催される「ニナ・メンケスの世界」で上映されるのは、初の長編『マグダレーナ・ヴィラガ』、代表作『クイーン・オブ・ダイヤモンド』、現時点での最新作ドキュメンタリー『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』の3作品。 初期の劇映画の主演はどちらもメンケス監督の実の妹、ティンカ・メンケス。『マグダレーナ・ヴィラガ』では社会から隔絶された娼婦の役を、『クイーン・オブ・ダイヤモンド』ではラスベガスのディーラーの役を演じ、どちらも孤独なキャラクターながら力強くもある女性像を類まれな存在感で表現する。 『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』は現在に至るまで映画がいかに「Male Gaze=男性のまなざし」に満ち、その描写がいかに我々の実生活にも影響をもたらしているかを、多くの映画のクリップを用いて解き明かしていくドキュメンタリー。予告でもアルフレッド・ヒッチコック『めまい』、クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、ポール・トーマス・アンダーソン『ファントム・スレッド』などのクリップが登場する。 特集上映「ニナ・メンケスの世界」は、2024年5月10日(金)より全国順次ロードショー。
otocoto編集部
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