【不登校】孤独を感じた親は半数以上。学校は「とにかく連れて来て」
オンラインフリースクールを運営する「SOZOW株式会社」(東京都品川区)が、自社の教室に通う小中学生の保護者を対象に、不登校による親への影響などを調査し、結果を公表しました。10月21日のプレスリリースをもとに紹介します。 【グラフで詳しく見る】離職や体調不良以外にも深刻な影響が
不登校は「問題行動」ではない
調査結果に対し、SOZOWは「不登校という事象が問題行動ではないことを学校や社会が正確に認識し受け止めた上で、民間のフリースクールに関する情報も含め、保護者や子どもたちに適切な情報提供が行われる体制を整えることが必要」だと呼びかけています。
【調査概要】 調査方法:インターネット調査 調査期間:2024年8月24日~9月2日 調査対象:小学生4年生から中学3年生の不登校の子ども(「SOZOWスクール小中等部」在籍者の一部)の保護者484人 回答者数:197人(有効回答数:187人)
約2割の親が「仕事やめざるを得なかった」
アンケートではまず、子どもの不登校によって親に起きた変化について、複数回答で質問。 「気分の落ち込み」が57.2%で最も多く、「孤独を感じた」も54.5%でした。さらに、26.2%が「体調不良になった」、18.7%が「仕事をやめざるを得なかった」と答えるなど、具体的な影響も出ていることが明らかとなりました。 調査に助言をした関水徹平・ 明治学院大学准教授は「不登校によって家庭生活も大きな影響を受けるケースは多く、保護者に対するサポートも必要だということが示されている」とコメントしています。
相談窓口や支援機関の紹介「なかった」が半数
次に、子どもが不登校になった際に、学校から相談窓口などの紹介があったかどうかを調査。49.7%が「情報提供はなかった」と答えました。 教育支援センターなど「公的機関の支援内容」の案内があったとの回答が38.0%、「不登校の相談窓口」の紹介があったと答えた割合は23.0%でした。
居場所探しは自力…学校は「とにかく連れてきて」
また、子どもが不登校になったことで、「学校からの必要な情報提供がなく困ったかどうか」の質問には、約8割の保護者が「困った」と回答。 自由記述では 「学校以外の居場所はほとんど自分で探さなくてはいけなかった」 「最初に登校しぶりがあった時に『とにかく連れて来てくれればよい』といってまったく情報提供がなかった」 「不登校に対する知識があれば、やみくもに登校を促してしまうことを防げる」 といった意見がありました。
学校と外の学びの場、日常的につなぐ必要
関水准教授は、「不登校関連の情報を積極的に保護者・児童生徒に提供することに二の足を踏む学校は多い」としたうえで、「『教育機会確保法』でも強調されているように、子どもたちが学ぶ場は学校だけではない」と指摘。 「学校と学校外の学びの場の関係について、子どもや保護者とも日常的に一緒に考えるような機会を作っておくことが、子どもや保護者へのサポートにもつながる」とコメントしています。
BuzzFeed Japan