岸田総理の3年を振り返る 広島サミットを実現 「政治とカネ」問題が直撃 総裁選の不出馬を正式表明
岸田総理 「決して許すことはできないと思っている。最大限の厳しい言葉で非難する」 ところが、その後、安倍元総理の葬儀を「国葬」として執り行うと決めたことが、結果的に国民の賛否を二分することになりました。さらに、事件をきっかけに旧統一教会から自民党の議員が支援などを受けていたことが明るみになり、世論の批判を受け、内閣支持率は急落しました。 岸田総理 「被爆地・広島で開かれるサミットの機会をとらえ、核兵器のない世界に向け、国際的な取り組みを主導する」 2023年が明けると、総理はG7広島サミットに向けてまい進します。 3月にはウクライナを電撃訪問して、ゼレンスキー大統領に面会。韓国との関係改善にも動き、広島サミットでは尹大統領とともに平和公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れることになりました。そして… 万全の態勢で迎えたG7広島サミット。核保有国を含むG7首脳が平和公園を訪れ、慰霊碑に献花し、原爆資料館で被爆の実相に触れました。 また、ゼレンスキー大統領の電撃参加も実現させました。 岸田総理 「G7として初めての核軍縮に焦点を当てた『広島ビジョン』を発出することができた」 直後の6月には、サミットを成し遂げた総理が解散を模索しますが、マイナンバーカードの相次ぐトラブルや、自民・公明の候補者調整が難航したことなどから見送られました。 この年の原爆の日。総理は耐震化に向け多額の費用が懸案となっていた広島市の被爆建物、旧陸軍被服支廠について言及します。 岸田総理 「当該建物の活用等について方針が定まれば、国の関連事業を通じた支援、こういうものを速やかに行っていきたいと思う」 この発言を契機に、国の重要文化財指定に向けた動きが加速していきました。 しかし、年末、自民党の派閥パーティーをめぐる問題が浮上します。東京地検特捜部が、安倍派と二階派の強制捜査に乗り出しました。 年が明けると、裏金事件をきっかけにした「政治とカネ」の問題がさらに混迷を深めます。総理自ら政治倫理審査会に出席して、安倍派などの幹部の出席を促し、沈静化を図りますが、事実関係は不透明なままで、世論の批判が強まります。
支持率低迷が続く中、衆議院島根1区など3つの選挙区で行われた4月の補欠選挙では、立憲民主党が勝利し、政権は大きな打撃を受けます。 6月には国会で政治資金規正法改正案が可決・成立しますが、パーティー券の公開基準額を「5万円超」に引き下げて公明と合意したことなどを巡り、党内から反発を受け、総理の求心力は低下。 一方、デフレ脱却のため総理肝いりの経済対策だった1人4万円の定額減税も支持率に響かず、政権浮揚にはつながりませんでした。
中国放送