身内の不幸が重なり月に3度の有休を取りました。「さすがに取り過ぎだよ」と上司に言われましたが有給取得にルールはあるのでしょうか?
身内の不幸が重なるなど、同月に有給休暇を複数回取得しなければならないこともあるのではないでしょうか。しかし、上司や同僚から「有休を取りすぎ」と言われたら、有休を取得しないなどの配慮が必要なのか気になることでしょう。 有給休暇の取得は労働者の権利なので、原則として会社の承認や許可は不要です。とはいえ、有給休暇を取得すれば同僚や上司に業務のしわ寄せが来ることも認識しなければなりません。 本記事では、有給休暇の取得について、有休を取りすぎた場合の同僚や上司との接し方を解説します。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できる…?
有給休暇は給料をもらいながら休暇を取れる制度
有給休暇とは、その名のとおり給料をもらいながら休暇を取得する制度です。厚生労働省の労働基準行政全般に関するQ&Aによると「雇入れの日から6ヶ月が経過している」「その期間の全労働日の8割以上出勤している」労働者に対して付与されます。 労働基準法で定める有給休暇の付与日数は以下のとおりで、条件を満たしていれば正社員だけでなくパート・アルバイトも付与対象です。 ●6ヶ月:10日間 ●1年6ヶ月:11日間 ●2年6ヶ月:12日間 ●3年6ヶ月:14日間 ●4年6ヶ月:16日間 ●5年6ヶ月:18日間 ●6年6ヶ月:20日間
有給休暇の取得は労働者の権利
有給休暇の取得は労働者の権利なので、上司が「さすがに取り過ぎだよ」と言ってきても原則として会社の承認や許可は不要です。労働基準法第39条第5項にて「使用者は、全各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めています。 有給休暇の取得理由について答える義務はなく、答えないことを理由に人事評価へ影響が出ることもありません。 ■繁忙期などを考慮して有休を取得する必要はある いくら有給休暇が労働者の権利でも、取得するタイミングは考慮したほうがいいでしょう。繁忙期や同日に他の労働者と有給休暇の取得日が重なる場合、業務に支障が出て同僚に迷惑をかける可能性も高いからです。自分勝手に有給休暇を取得した結果、同僚との関係性が悪化するケースもあり得るでしょう。 また、労働基準法第39条5項では「労働者が請求した時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、使用者に「時季変更権」が認められる」という「時季変更権」を定めています。