野尻智紀、抜群スタートでレースをコントロールし、スーパーフォーミュラ開幕戦制覇「自分の流れでレースが進められた」
2024年シーズンのスーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿は、3番グリッドから好スタートした野尻智紀(TEAM MUGEN)が優勝。彼は、スタートとピットインのタイミングが勝利のポイントだったと語った。 【リザルト】スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿:決勝結果 2021年と2022年のスーパーフォーミュラ王者であり、昨年も最後までチャンピオン争いを展開した野尻。今季も開幕戦からその強さを見せつけた。 ただ予選では、Q1で素晴らしいラップを見せながらもQ2でフロントロウ獲得を逃し、日曜日のフリー走行ではペースを不安視するなど、順風満帆なレースウィークではなかった。 「今日の朝から振り返っていくと、ウォームアップが少しペースが良くないなと感じ、若干劣勢なのかなと思っていました」 そう語った野尻。今年の開幕戦は例年より開催時期が早く、実際土曜日のフリー走行では雪がちらつくシーンもあった。野尻はこの寒さを警戒していたのだ。 「今日のコンディションは寒かったので、スタートの蹴り出しもホイールスピンしやすいだろうなという懸念がありました。でもそこをうまくクリアできて、すごく良いスタートが切れました」 懸念をよそに抜群のスタートを切った野尻は、フロントロウの阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の間を抜けてホールショットを決めると、レースの主導権を握った。 そして13周を走り終えたところでピットインすると、2周前にピットを済ませて追い上げていた山下健太(KONDO RACING)の前を抑えることに成功。その後はチェッカーまで盤石なレース運びで開幕戦を制した。 「1コーナーでトップに立ってからも、自分の流れでレースが進められると確信しました。その後は後続を見ながらタイヤをセーブして走るという感覚でした」 「あとはやっぱりアウトラップですね。ここは難しいところで、早めにピットに入った選手たちとの差をチームに見てもらいながら、自分のピットストップタイミングを決めました」 「本当に最適なタイミングで僕をピットに呼び戻してくれたので、チームとしてすごく良い状況判断をしてもらったかなと思います」 「昨日は少し自分たちのパフォーマンスを上げきれず、僕としてもチームとしても、課題みたいなものが見えた1日だったんですけれども、今日は非常に良いレースがチームと一緒にできたので、そこはすごく嬉しく思います」 「次のレースやチャンピオンシップにも繋がる非常に大きな1日だったなと思ってます」 そうレースを振り返った野尻だが、日曜フリー走行で懸念していたペースについては、判断を保留しているようだ。 「先頭で走っているとすごく利のある状況ですので、実際どうだったかと言われるとまだ疑問が残るところではあります。やはり集団の中で走って、力強いペースで走れるかっていう方が、やっぱり今後のレースを考えると大切かなと思うので」 「1人で走ってる分には非常に良かったと感じてますけど、実際集団の中だったりすると、まだまだ劣っている部分もあるんじゃないかなという風には感じています」 次戦のオートポリスは5月18~19日と、約2ヵ月の期間が空く。野尻は昨年、第4戦として開催されたオートポリスのレースを肺気胸で欠場しており、その分次戦を楽しみにしていると語った。 「2ヵ月も空いちゃって寂しいなっていうのがまず第一にあって、また早くこのスーパーフォーミュラのクルマに乗りたいなっていう思いがあります。その分、次のレースに対するワクワク感だったり、そういったものはどんどん増してくるかなと思うんで、今からオートポリスに行くのが非常に楽しみです」 「個人的には昨年オートポリスに出られなかったので、スーパーフォーミュラではかなり久々のオートポリスになるので、それもまた楽しみのひとつかなと思っています」
【関連記事】
- ■岩佐歩夢、スーパーフォーミュラ初戦は9位「悪くないレースだった……それだけに予選が悔やまれる」。次戦巻き返しを誓う
- ■今年も野尻は速い! 開幕戦を完勝。山下健太2位、大怪我からカムバックの山本尚貴が3位表彰台|スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿
- ■「簡単にはいかなかったけど、いつの日か」JRP近藤真彦会長、模索したF1とスーパーフォーミュラのレース併催について語る
- ■不振を乗り越え、SF初ポールの阪口晴南が記者会見でぶつけた想い。「苦戦しているドライバーに『もうダメなんじゃないか』と思わないで」
- ■今後さらなる猛者が、日本にやってくる……F2王者プルシェール確信「悲しいけど、結果だけではF1に行けない」