下条氏の陣営幹部ら逮捕 長崎県警、衆院選で買収約束容疑
長崎県警捜査2課などは20日、公選法違反(買収約束)の疑いで、長崎市油屋町、団体職員の男性容疑者(66)と同市茂里町、会社役員の男性容疑者容疑者(61)を逮捕した。10月に行われた衆院選長崎1区に自民党公認で立候補し、落選した下条博文氏は同日、逮捕された2人が自身の陣営幹部らだと明らかにした。 県警によると、県内の衆院選での強制捜査は、2003年以来21年ぶり。 逮捕容疑は、10月上旬から中旬までの間、両容疑者らは共謀し、複数の運動員に対し、電話で候補者への投票を呼びかける選挙運動の報酬として「時給千円」を渡す約束をした疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。捜査関係者によると、報酬は支払われていないという。 県警は20日、後援会事務所など関係先数カ所を家宅捜索し、選挙関係の文書やデータを押収した。両容疑者が「電話作戦」を主導していたとみており、今後、陣営内での役割について調べるほか、運動員側についても公選法違反の疑いで調べる方針。 下条氏は、同日午前に自身の事務所が家宅捜索を受けたとして、同日午後に県庁で会見を開いた。下条氏は「事実関係の確認を急いでいる状況。このような事態を招いたことにおわび申し上げる」と謝罪し、「(逮捕容疑に関して)私は全く関わっていない」と自身の関与を否定した。 下条氏によると、団体職員の男性容疑者は後援会事務局長で、選挙期間中は街宣活動の日程調整など事務的な仕事に従事。会社役員の男性容疑者は「支援者の一人」だとし、個人演説会などの会場設営などを任せていたとしている。 自民党県連の前田哲也幹事長は「仮に事実であれば、政治とカネの問題に対する反省の下に行った選挙において、このような事態が生じたことは大変遺憾」と述べた。