拳四朗返上の王座決定戦で“地元判定” 疑惑の試合にWBCスライマン会長が即時調査を明言
プロボクシングWBC世界ライトフライ級王座決定戦は26日、バンコクのラジャダムナンスタジアムで行われ、同級2位のパンヤ・プラダブシー(33=タイ)が同級1位カルロス・カニサレス(31=ベネズエラ)に2-0で判定勝ちし、新王者となって2階級制覇に成功した。元WBC世界ミニマム級王者のパンヤは44勝(27KO)2敗、元WBA世界ライトフライ級王者のカニサレスは27勝(19KO)3敗1分け。王座は元WBAスーパー&WBC統一世界同級王者で現WBC世界フライ級王者の寺地拳四朗(BMB)が返上したものだった。 試合はカニサレスが終始手数で上回り攻勢だったが、採点はオーストラリアのジャッジ1人が14-114のドロー、米国人とモンゴル人のジャッジ2人は115-113、116-112でいずれもパンヤを支持した。判定が出るとタイの観衆からもブーイングが起こり、SNSは大炎上となった。 WBCのマウリシオ・スライマン会長は自身のX(旧ツイッター)に採点表の写真を掲載。「センセーショナルな接戦の末、タイでプラダブシー(パンヤ)に2-0で判定が下されました。カニサレスは全力を尽くして戦った戦士です。いくつかのラウンドでのWBCのジャッジの判断にガッカリしていて、私は委員会に即時の調査を命じます。WBCのリングオフィシャルは判断の責任を負います」とコメントした。専門メディアのボクシングシーンは「2024年の最も判定を盗まれた賞の候補。正義は果たされず、マウリシオ・スライマンが行動を起こすことになるだろう」と批判した。 パンヤは23年10月、当時WBAミニマム級暫定王者だった重岡優大(ワタナベ)に判定負けして王座から陥落。ほとんどの試合をタイ国内で戦っており、重岡優戦を含む2敗はいずれも海外だった。日本人選手との対戦も多いカニサレスは今年1月、当時2団体統一王者の寺地に挑戦し、激闘の末に0-2で判定負けしていた。